バフェットとS&P500どっちが最強?直近20年の現実と54歳FIRE民の結論

直近20年の現実!投資の最強はどっち? 投資の基本

 著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)

投資をしていると、「投資の神様・ウォーレン・バフェットのようなスタイルで投資すれば、インデックス以上のリターンを出せるのではないか?」と、淡い期待を抱くことはありませんか?

あるいは、「バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイに投資しておけば、インデックス投資なんていらないのでは?」という疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言えば、それは「過去においては正解でしたが、現在においては必ずしもそうとは言い切れない」というのが実態です。

過去60年の超長期データで見れば、確かにバフェット氏の圧勝です。しかし、直近20年のデータに目を向けると、実はバークシャーとS&P500の成績は「ほぼ拮抗している」という意外な現実が浮かび上がってきます。

今回は、54歳の「守りの投資家」としてのリアルな視点から、この事実が何を意味するのかを一緒に考えていきましょう。

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バフェット vs S&P500!過去60年と直近20年のリターン比較

過去60年間のリターン:バフェット(バークシャー)の圧倒的な実績

まずは、バークシャー・ハサウェイとS&P500のリターンを比較してみましょう。Berkshire Hathawayの株主宛て書簡(PDF)のデータなどを参考に振り返ると、過去60年間におけるバフェット氏のパフォーマンスは、まさに「神様」と呼ぶにふさわしい圧倒的なものでした。

  • バークシャー(株価ベース):年率 19.9%
  • S&P500(配当込み):年率 10.4%
    ※バークシャーは基本配当を出さないため、S&P500は配当込みで比較

【60年間の圧倒的パフォーマンス】

バークシャー・ハサウェイ と S&P500 のパフォーマンス比較(60年)

1965年からの60年間、バークシャーの年平均リターンは19.9%。対するS&P500は10.4%です。もし1965年に100ドルを投資していたら、S&P500が約3万9千ドルになったのに対し、バークシャーは約549万ドルに達するという驚異の複利効果を見せつけました

長年にわたってこれだけの成績を上げるということは、バフェット氏の卓越した目利き力がいかに凄まじいか、改めて思い知らされます。まさに「投資の神様」と呼ばれるゆえんです。

直近20年間のリターン:S&P500との「拮抗」という現実

しかし、ここで注目すべきは直近20年(2005年〜2024年末)のデータです。

  • バークシャー:累積リターン 約 +674%(年率約10.8%)
  • S&P500(配当込み):累積リターン 約 +618%(年率約10.4%)

【直近20年の収束傾向】

バークシャー・ハサウェイ と S&P500 のパフォーマンス比較(20年)

運用資産規模が巨大化した過去20年間(2005–2024年)では、メガテック企業主導のS&P500とバークシャーの成長率は、より拮抗する傾向を見せています。

年平均リターンで見ると、バークシャーが10.8%、S&P500が10.4%。100ドルを投資した場合の最終的なリターンは、バークシャーが774ドル、S&P500が718ドルと、その差はごくわずかになっています

私自身、このデータを初めて見た時は正直、驚きました。「投資の神様」であっても、投資規模が大きくなるとこれほど市場平均との差が縮まるのか、と。50代から老後資金を運用する上で、このわずかな差を追い求めて個別株の銘柄分析に膨大な時間を費やす必要があるのかと、冷静に考えるべきかもしれません。

なぜ近年、バークシャー・ハサウェイは市場平均(インデックス)に近づいたのか?

では、なぜこれほどまでにリターンの差が縮まったのでしょうか。主な理由は2つあります。

理由①:運用資産100兆円越えの「巨大化」が生む構造的な限界

バークシャーの運用資産は、現在100兆円を超える規模に達しています。これほどの資金規模になると、かつてバフェット氏が得意とした「市場が見落としている割安な中小型株」への投資は、事実上不可能です。

運用資金が巨額すぎるため、自身が買うだけで株価が高騰し、売れば暴落を招きかねません。そのため、必然的にAppleやコカ-コーラのような超大型株を中心に保有するしかなくなり、そのポートフォリオ構成はおのずと主要インデックスに近づいていきます。

これはバフェット氏だけの問題ではありません。アクティブファンドの世界でも全く同じ現象が起きています。

かつて私が投資を始めた2000年頃、「野村日本株戦略ファンド」という商品が登場しました。野村AMが誇るトップマネージャーを結集させ、電車広告まで打つほどの熱狂で1兆円超を集めた人気ファンドです。信託報酬は約2%と高額でした。しかし、資産規模が大きくなりすぎた結果、値動きの軽い中小型株には手が出せず、結局ソフトバンクやトヨタのような「どこにでもある大型株」をインデックスに近い比率で持つだけの「クローゼット・インデクサー」に成り果ててしまいました。高い手数料を払って、中身はインデックスと同じ——これほど資産形成の効率を下げる行為はありません。

その他「さわかみファンド」など、個人投資家に愛されたファンドも同じ壁に直面しています。「過去のファンドの成功が、現在の運用の足を引っ張る」——この構造的な矛盾は、バークシャーも例外ではないようです。

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理由②:「バフェットの投資の秘密」が学術的に解明された

もう一つの理由は、バフェット氏の卓越した投資手法が、学術的に解明されてしまったことです。

バフェット氏の驚異的な超過リターンは、「安価で、安全で、高品質な株式に対し、保険事業の資金などを活用してレバレッジをかける」というロジックで十分に説明がつくことが判明しています。つまり、「魔法の銘柄選び」があったわけではなく、自身は資金効率を高めつつも、投資先としては以下の条件を満たす堅実な企業を一貫して選んでいたのです。

  • バリュー(割安性):本質価値に対して割安な企業を買う
  • クオリティ(質の高い企業):高いROE、安定した収益、強い競争優位性
  • 低ボラティリティ(値動きの安定性):値動きが比較的穏やかな企業を好む
  • 低いレバレッジ:負債が少なく財務が健全な企業
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リーマンショックなどの暴落時に学ぶ!バークシャーの「防御力」

一方で、バークシャーに対して私が「絶対に見習うべき点がある」と思っているのが、暴落時の圧倒的な防御力です。

2008年のリーマンショック時、バークシャーは確かに大きく下落しましたが、潤沢な現金保有を武器に、逆に割安株を積極的に買い増すことで独自の強みを発揮しました。バフェット氏の有名な言葉「他の人が恐れているときに貪欲になれ」を、まさに体現した局面です。

「なら個人も、暴落に備えて現金をたっぷり持っておくべきでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、これには注意が必要です。

バフェット氏が動かすのは数百兆円規模の資金です。私たち個人投資家とは、土俵が根本的に違います。個人投資家にとっての最大の正解は、暴落に備えて市場から降りたり傍観したりするのではなく、「市場に居続けること」が大前提ですが、実はこれが意外と難しいのです。

私が痛感しているのは、「机上の計算で弾き出した頭の中のリスク許容度」と、「実際に暴落が起きた時に感じる心のリスク許容度」には、とてつもなく大きな乖離がある——これが25年の投資歴で得た最大の教訓です。

私は2008年のリーマンショックを、現役の投資家として経験しています。日経平均が1万8,000円台からあっという間に7,000円台へ真っ逆さまに落ちていく中で、画面を開くたびに資産が猛烈な勢いで溶けていくのを見て、本当に背筋が凍りました。あの歴史的な嵐を乗り越えられたのは、「強気な株式100%」ではなく、現金や債券を組み合わせた「自分の本当のリスク許容度(器)に合わせた守りの配分」を組んでいたからだと思っています。

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54歳・FIRE達成者が「インデックス」を選ぶ理由

バフェット氏自身も、妻への遺言として「資金の90%をS&P500に、10%を短期国債に投資しなさい」と残しているのは有名な話です。世界最高の投資家が、一般の個人投資家には「インデックス投資」を推奨している事実は、非常に重い意味を持ちます。

私はFIRE関連の情報収集のために経済ニュースは毎日確認しますが、株価チェックは週末に家計簿ソフトへ終値を登録する時くらいです。あとは月1回の積立と、リバランスのための売買をする程度。FANG+のような値動きの激しいものを抱えて毎日気を揉む生活より、投資は機械的な作業と割り切り、株価から強制的に目を背けて好きなことに没頭する道を選びました。

28年勤めた会社を早期退職した今、穏やかな暮らしや大切な家族との時間を最優先にしています。

「相場を忘れて自分の人生に没頭する。この状態が一番なんだと心から納得できたこと。それこそが25年の投資歴で得た最大の成果だと思っています。」

投資に人生の時間を奪われるのではなく、インデックスに運用を任せて豊かな時間を楽しむ——それがFIRE生活の真髄だと、今は確信しています。

まとめ

本日の内容をまとめます。

  • 過去60年の超長期ではバフェット氏の成績が圧勝だが、運用資産が巨大化した直近20年ではS&P500と互角の成績に収束している。
  • 優秀なファンドほど資金が集まり「巨大化の罠」に陥るため、プロであってもインデックスに勝ち続けるのは極めて難しい。
  • バークシャーの強みは「暴落時の防御力」にある。個人投資家も、自分のリスク許容度に合わせた現金・債券の保有が不可欠。
  • 投資に人生の時間を奪われるのではなく、インデックスに運用を任せて豊かな時間を楽しむことが、個人投資家にとっての最適解である。

大半の個人投資家にとって、S&P500などの低コストなインデックスファンドをコツコツと積み立てることが、最も勝率が高く、心穏やかに過ごせる投資法です。

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