高校生の憧れ職業9位「投資家」の地味すぎるリアル。50代FIREおやじが実践する「守りの投資」とは?

FIRE専業投資家の地味すぎるリアル 投資の基本

 著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)

皆さんは、第一生命が発表した「第37回 大人になったらなりたいもの」調査の結果をご覧になりましたか?なんと、高校生男子のなりたい職業ランキングのトップ10(同率9位)に、初めて「投資家」がランクインしたそうです。
※参考:第一生命保険株式会社:第37回「大人になったらなりたいもの」調査結果

私が投資を始めた25年前、投資といえば「怪しい」「ギャンブルだ」と白い目で見られる時代でした。それが今や、高校生が将来の夢として憧れる職業になるなんて……本当に時代は変わりましたね。

現在、53歳で大企業を退職し、完全FIRE生活を送っている私。個人的には「元サラリーマン投資家」という立場になるわけですが、私の日常は高校生たちが憧れるようなキラキラした生活とは全く違います。

この記事では、ニュースの背景にある金融教育の実態に触れつつ、FIREおじさんの「地味すぎる投資家のリアル」をお伝えします。読めば、若者の強みである「複利の力」の大切さに気が付いてもらえると思います。

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高校生が憧れる「投資家」像と、おじさんの激しいギャップ

まずは、話題になった第一生命の第37回「大人になったらなりたいもの」調査結果から、高校生男子のランキングを見てみましょう 。

※出典:第一生命保険株式会社 第37回「大人になったらなりたいもの」調査結果より

見事に「投資家」がゲームクリエイターと並んで同率9位に入っています。
第一生命の調査結果ハイライトでも、以下のように分析されていました 。

※出典:第一生命保険株式会社 第37回「大人になったらなりたいもの」調査結果より

この結果を見て、私は最初「今どきの高校生はキラキラしたデイトレーダー動画に影響されているんだろうな」と思いました。マルチモニターを並べ、タワマンの最上階でワインを片手に億を稼ぐ……そんなイメージです。

でも、少し立ち止まって考え直しました。今の高校生は、もしかしたら私たちの世代より、ずっと現実的なのかもしれない。

その背景にあるのが、2022年度からの高校家庭科における金融教育の必修化です。金融庁も高校生向けの教育動画を公開しており、「家計管理とライフプランニング」「使う」「備える」「貯める・増やす」といったお金の基礎を、国を挙げて教えるようになりました。NISAやインデックス投資といった「長期・積立・分散」の考え方に、10代のうちから触れている世代です。
参考:金融庁:高校向け 金融経済教育指導教材の公表について

つまり「投資家になりたい」という言葉の意味が、私たちの世代とはそもそも違う可能性があります。派手に稼ぐ投機家ではなく、資産を着実に育てていく人を「投資家」と捉えているのかもしれません。もちろん、SNSの影響で「一攫千金」的な夢を重ねている面もゼロではないと思います。しかし正しい金融リテラシーを持つ若者が増えること自体は、日本の未来にとって大きなプラスだと思います。

一方、私のような50代のおじさんが知っている有名な投資家といえば、株主優待券を使い切るために自転車で街を爆走する「株主優待で有名な桐谷さん」ぐらいしか思いつきません。

あるいは、バブル崩壊やリーマンショックで痛い目を見た投資家とか(笑)。

実際、私自身も20〜30代の頃に「楽して儲けたい」という気持ちからデイトレードやFXに手を出し、1日で20万円近い損失を出して顔面蒼白になった経験があります。それ以来しばらく「投資は怖い」と思い込んでいました。でも今から振り返れば、怖かったのは「投資」そのものではなく、値動きに一喜一憂する短期売買だったと分かります。

その点、今の高校生はスタート地点から「長期投資」という正しい地図を持っている。おじさんたちが先入観で身構えているより、若い人の方がよほど冷静に「投資家」という言葉を捉えているのかもしれませんね。

若者の特権「複利の力」と、我々40〜50代が勝つための「守りの投資」

若いうちから投資に関心を持つ高校生は、「時間」という投資における最強の武器を持っています。投資において複利の力は、投資期間が20年、30年と長くなるほど圧倒的な効果を発揮します。

過去記事でもシミュレーションしましたが、もし私が25年前から会社の財形貯蓄(月3万円)ではなく、同額をS&P500のインデックスに積み立てた場合は以下でした。

  • 現実(財形貯蓄):約940万円
  • もしもの世界(S&P500):約5,700万円

その差は歴然で、実に資産が6倍近くに膨れ上がっていました。これこそが「若さ=時間」の力です。金融教育を通じて「長期・分散・積立」の威力を知り、若いうちから複利を味方につけられる今の高校生は、本当に羨ましい限りです。

40〜50代は「時間がない」!アセットアロケーションで守りを固める

しかし、ここで冷静にならないといけないのが、我々40〜50代には、若者のような「30年の時間」は残されていないということです。

だからといって、ハイリスク・ハイリターンな投資に手を出すのは、絶対にやってはいけない致命傷になります。市場から退場した場合、それを取り返す時間がありません。

我々中高年が勝つための戦略は、「会社員としての信用と入金力」をベースにし、「大きく増やさなくてもいいから、絶対に減らさない(守りの)投資」に徹することです。

具体的には、株式だけでなく、現金や債券など、値動きの異なる資産に分散させる「アセットアロケーション(資産配分)」の構築です。投資の世界では有名な「ゲーリー・ブリンソンらの研究」でも、ポートフォリオの運用成績の約9割はアセットアロケーションで決まると結論づけられています。個別銘柄選びに一喜一憂するより、計算できるキャッシュフローを作ることの方が、老後の心の安定に直結します。

53歳FIRE達成「専業投資家」の地味すぎるリアルな日常

最後に、夢を壊すようで申し訳ないですが、資産2億円を築いてFIREした「専業投資家」のリアルな日常をお伝えします。

最高に自由ですが、最高に地味です。

毎朝マルチモニターに張り付いて、チャートを睨みつけるようなことは一切していません。「3つのバケツ戦略」で守りを固めているため、基本は「ほったらかし」だからです。

では、毎日何をしているかというと、ジムに行ったり、散歩をしたり、ブログを書いたりしています。 全くキラキラした生活をしていません。

ゆっくりお茶をすすりながら、ライフプラン表や資産管理アプリ(=家計簿)と睨めっこし税金計算に頭を悩ませる。これが、リアルな専業投資家の日常です(笑)。

さいごに

今回は、高校生のなりたい職業に「投資家」がランクインしたというニュースから、投資家のリアルついて書いてみました。

まとめとしては、

  • 高校生の憧れと現実のギャップ:憧れの投資家像とは裏腹に、実際の専業投資家(53歳FIRE)の日常はひたすら地味で泥臭い。
  • 若者の特権は「複利」:時間を味方につけた長期積立(月3万円でも約5,700万円達成が可能)は最強。
  • 40〜50代は「守りの投資」:時間がない我々は、一攫千金を狙うのではなく、アセットアロケーションを組み「減らさないこと」を最優先にする。

「投資は退屈なくらいが丁度いい」のです。相場に一喜一憂せず、ぐっすり眠れるポートフォリオを組むことこそが、FIREへの一番の近道だと私個人としては確信しています。

コメント

  1. 分散握力 より:

    会社の財形貯蓄、私もやってました。
    1992年~2019年の27年間で貯蓄した元本は1500万円オーバー。
    それについた利息はたったの30万円ちょっとでした(笑)。正に失われた30年…。

    2018年に始まった旧つみたてNISAとインデックス投資の存在を知り、
    財形からNISAへ切り替えていきました。同時期に生命保険と個人年金保険を解約。

    今の40~50代は、預金一辺倒だった親の金融知識を信じてきた人が多いと思います。
    仕方がないとはいえ、悔しいですね。新NISAのある今の若い世代が羨ましいです。

    • モンチ モンチ より:

      コメントありがとうございます!

      おっしゃる通り、我々40〜50代は親世代の「預金こそ正義」という教えを信じて生きてきましたよね。
      だからこそ、学校できちんとお金の教育を受けられて、さらに新NISAという素晴らしい投資環境が整っている今の若い世代が、本当に羨ましくなります。
      お互い、これまでの着実な貯蓄を武器にして、ここから焦らずに挽回していきましょう!

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