投資信託の売り時はいつ?50代FIRE民が実践する『出口戦略』とリバランス術

投資信託の売り時と最強の出口戦略 投資の基本

 著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)

FIRE生活を送る中で、私が最近よく考えているのが「資産の取り崩し戦略(出口戦略)」についてです。

20代〜40代の若く現役バリバリの頃は、とにかく貯蓄率を上げてひたすら投資に回し、「いかに資産を増やすか」ということだけを考えていれば十分でした。しかし、FIREを達成し給与収入がなくなった今は、リスクを抑えた「守りの運用」へとシフトし、手元の資産をどうやって上手に使っていくかが最大のテーマになっています。

そんな中、昔運営していた自分のブログを整理していたところ、投資信託の「売り時」について書いた過去記事を発掘しました。

新NISAなどで投資信託の積み立てを始めたものの、「利益が出ているけれど、一体いつ、どうやって売ればいいの?」「暴落する前に利確すべき?」と、出口戦略に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?相場が上がると利益を確定したくなり、下がると怖くて売りたくなってしまうのが人間の心理です。

今回は、私が18年前にプロから学んだ「4つの売り時」の鉄則と、現在実践している「相場を予測しない自分軸のルール」、そして「リバランスを利用した心理的ハードルの低いファンド整理術」や「自動取り崩し」について、私の実体験を交えて記事にしました。

【この記事の結論】投資信託の「売り時」と出口戦略

  • 売り時の正解は「相場」ではなく、自分の「ライフイベント」
  • 資産比率を整える「リバランス」のタイミングを売り時とするのが最強
  • リバランスのついでに「不要なファンド」を処分しポートフォリオを浄化する
  • 老後の取り崩しは、「定期売却サービス」で感情を排除し自動化する
スポンサーリンク

18年前の投資記録から学ぶ。プロが教える「投資信託の売り時」4つの鉄則

私が発掘したのは、今から18年前の2007年7月に書いた記事です。当時、私はまだ投資の勉強中で、マネックス証券が主催するオンライン特別講座を受講しました。そこには、旧モーニングスターの朝倉氏、「投資信託にだまされるな!」の著者・竹川氏、そして資産設計の書籍で感銘をうけていた内藤忍氏といった、そうそうたる顔ぶれが登壇されていました。

当時の私がブログに書き留めていた、プロたちの共通の教えがこちらです。

「相場に左右されない売り方が大事」

いわゆる、「2割上がったから売る」といった相場の値動きを基準にした売り方はダメだというのです。なぜなら、相場を理由に売ってしまうと、「次にいつ、何を買えばいいのか」で必ず迷い、結果的に市場から退場してしまう原因になるからです。

では、具体的な「正しい売り時」とはいつなのか? 当時の記事には、以下の4つのポイントがまとめられていました。

  1. 目的を達成したとき(老後資金が貯まったなど)
  2. お金が必要になったとき(車の購入や生活費など)
  3. 保有している投資信託のパフォーマンスが明らかに悪い場合の、入れ替え時
  4. アセットアロケーション(資産配分)の比率が崩れたときのリバランス時

小金持ち倒産の資産設計塾:投資信託の売り時(2007/7/30)から要約

資産2億円を築き、実際にFIREを達成した現在の視点から見返しても、この18年前の教えは全く色褪せていない「投資の真理」だと断言できます。

相場を予測しない勇気:出口のトリガーは「市場」ではなく「自分」

投資信託の売り時を考える際、「今は高値圏だから売っておこう」「暴落しそうだから逃げよう」という発想は、個人的には今すぐ捨てるべきだと思っています。投資のプロでさえ、相場の天井や底を正確に当てることは不可能です。

私たちのような個人投資家においては、出口のトリガーは「市場」ではなく「自分」に設定するのが大原則です。

つまり、上記の鉄則の1と2にあたる、「自分に現金が必要になった時(ライフイベント)」を基本の売り時とする潔さが必要です。

「車の買い替え費用が必要になった」「家の修繕費が要る」「今年の生活費を確保したい」。こういった自分の生活を軸にした「自分軸投資」を徹底することで、日々の経済ニュースや株価の乱高下に振り回されなくなるという精神的なメリットが出てきます。

迷わない出口戦略:「売り時」を「リバランス」に置き換える技術

とはいえ、「生活費以外で、資産を整理するための売り時はどうすればいいの?」と思う方もいると思います。日々の資産管理における最強の売りルール、それが鉄則の4にあたる「リバランス」です。

リバランスとは、あらかじめ自分が決めた「アセットアロケーション(資産配分)」の比率が、相場の変動によって崩れた時に、元の比率に戻す作業のことです。

例えば、株が大きく値上がりして、自分が決めた「株式50%:債券50%」という安全な比率を超えてしまったとします。この時、「もっと上がるかもしれないからもったいない」という感情を一切挟まず、ルールに従ってオーバーした株式を機械的に売却し、目減りしている債券(または現金)を補充します。

「増えすぎたものを売り、減ったものを買う」

これを定期的に行うことで、人間の「もっと高値で売りたい」「損をしたくない」という強欲と恐怖を完全に排除し、結果的に「高く売って安く買う」という投資の王道行動を自動的に実践できます。

【50代の資産整理】リバランスのついでに行う「低コストファンド乗り換え術」

さて、ここからが私が現在実践している、ひと手間加えた応用テクニックです。

私は、このリバランスで「売る」タイミングをメインの売り時とし、ついでに「不要な投資信託の整理(乗り換え)」を行っています。ただ単に比率を調整するだけでなく、この機会を利用すれば、ポートフォリオの中身を最新の優良ファンドへと、心理的ハードルなく入れ替えることができます。

具体的なファンド乗り換えのステップ

例えば、私のポートフォリオで「国内株」と「海外株」を1:1の比率で持っているとします。定期的にバランスを確認し、国内株が大きく値上がりして比率が高くなっていた場合、「国内株を売って、海外株を買う」というリバランスを行います。

この時、ただ国内株を売るのではなく、自分が保有している国内株ファンドの中から「昔は手数料が安かったけれど、今はもっと安い優良商品が出ているため、気に入らなくなった古い投資信託」を優先して売却します。

そして、海外株を買い増す際には、現在一番コストが安く「お気に入りの最新の投資信託」を購入します。

これを繰り返していくと、日々のメンテナンスのついでに、自分の証券口座から古い高コストなファンドが消え去り、お気に入りの低コストファンドへとどんどん浄化されていきます。

例えば私の場合、過去(2008年頃)のブログ記事を見返すと、当時大人気だった悪名高き「グロソブ(グローバル・ソブリン・オープン)」を保有していると書いてありました(笑)。「信託報酬が1%を優に超える」「毎月分配」というファンドです。

もちろん、これらはその後のリバランスの過程で「売り」の対象として優先的に処分し、現在では入れ替えを完全に完了しています。長期投資において、手数料の差は最終的に数百万円単位の差になりますので、この「低コストファンド乗り換え術」は資産寿命を延ばす効果もあります。

金額が大きい場合のテクニックと心理的ハードル

もし乗り換えたい金額が非常に大きい場合は、「気に入らない投資信託の売り」と「お気に入りの投資信託の買い」の注文を同時に出す(資金量の問題で複数回に分けて行う場合あり)という手法もあります。

ただ、そこまで頑張ってこまめにメンテナンスをする必要がない場合は、先ほど書いた「リバランスのついでに整理する手法」を私はよく使っています。「わざわざ乗り換えのためだけに売買する」のは心理的なハードルが高かったりしますが、「どうせリバランスで売らなきゃいけないから、ついでに古いものを処分しよう」と考えれば、ストレスなく実行できるからです。

皆さんの証券口座にも、「昔マネー雑誌をみて買ったけれど、実は手数料が高い投資信託」が眠っていませんか? ぜひこの方法でスッキリさせてみてください。

感情を排除! SBI・楽天証券の「定期売却サービス」で感情ゼロの自動取り崩し

最後に、FIRE後や老後の生活費として、定期的に投資信託を取り崩すフェーズに入った方向けの「究極の自動化テクニック」をご紹介します。

それが、証券会社が提供している「投資信託の定期売却(自動取り崩し)サービス」です。

生活費が必要だとはいえ、毎月自分で証券会社の画面を開き、手動で売却ボタンを押すのは、想像以上に精神を消耗します。「今日は株価が下がっているから、売るのがもったいないな…数日待とうかな」という感情が必ず邪魔をしてくるからです。

現在、楽天証券やSBI証券などの主要なネット証券では、この定期売却サービスが非常に充実しています。

  • SBI証券(私のメイン口座): これまでの「定額売却」に加え、2025年12月からはNISA口座での定期売却や、「定率指定」「期間指定」の機能がさらに拡充されました。
  • 楽天証券: 「金額指定」「定率指定」「期間指定」の3パターンから選択可能。NISA口座にも対応しており、楽天銀行と連携させれば出金までスムーズに自動化できます。

このサービスを設定してしまえば、「毎月〇万円を、まるで年金のように自動で現金化して受け取る」ことができます。日々の相場に一切心を乱されずに済む、最強の出口戦略です。

米国の有名な研究「トリニティ・スタディ(いわゆる4%ルール)」などでも、資産を株式と債券に分散し、スタート時に決めた金額を取り崩していくことの有効性が示されています。証券会社の「金額指定」の自動売却機能を使えば、この理論に近い取り崩しも自動で完結します。

※投資はあくまで自己責任となります。ご自身の年齢や保有資産、リスク許容度に合わせて無理のない出口戦略を組んでくださいね。

まとめ

今回は、18年前のブログ記事から振り返る「投資信託の売り時」と、私の考える出口戦略について記事にしました。

  1. 相場予測の「〇割上がったから売る」は失敗の元。出口のトリガーは「自分にお金が必要になった時」にする。
  2. 売り時を「リバランス」のタイミングに置き換え、そのついでに古い高コストファンドを整理して最新ファンドに乗り換える。
  3. 毎月の生活費の取り崩しは、証券会社の「定期売却サービス」を利用して感情を完全に排除するのも手。

投資信託は、購入時も勿論ですが、どういう条件で売却するかという自分ルールを決めておくだけで、一生相場に一喜一憂せず、心穏やかに投資を続けることができると思います。

PS
皆さんの証券口座には、昔買ったまま放置されている「高コストな投資信託」は眠っていませんか?ぜひコメント欄で、皆さんのファンド整理術や、売り時のマイルールを教えてください!

コメント

  1. 匿名 より:

    含み益がのっていると悩ましいですよね。税金の支払いを遅らせて、その分も運用し続ける効果をどう捉えるかですかね。

    • モンチ モンチ より:

      コメントありがとうございます。

      税金対策は本当に悩みますよね、含み益があるので贅沢な悩みかもしれませんが・・・。

タイトルとURLをコピーしました