著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)
昨日は、年齢に合わせて取り崩し率を上げていく究極の出口戦略「VPW(変動率取り崩し法)」の魅力と、具体的な考え方について記事にしました。
【まだ読んでいない人は先にこちらの記事を読んでください】
実は、このVPWの手法を開発した海外投資家コミュニティ「Bogleheads」では、誰でも無料で使えるVPWのスプレッドシートを公開しています。
👉入手場所:Bogleheads Wiki – Variable percentage withdrawal のページの下のほうにあります。
色々なデータや計算手法が搭載された「神ツール」なのですが……全編英語なので、日本人の私にはちょっとハードルが高いんですよね。
そこで今回、「このブログ上で日本語で計算できるツールを作ってしまおう!」と思い、本家のロジックを再現したWEBシミュレーターを作成してみました。
ご自身の年齢や資産、もらえる予定の年金額を入力するだけで、あっという間に「今年の生活費」や「FIRE初年度に使えるお金」が計算できます。従来の4%ルールに不安を感じている方、ぜひ電卓代わりに遊んでみてください!
本家Bogleheadsを再現!VPW式「FIREシミュレーター」の裏側ロジック
「ただの簡易計算機じゃないの?」と思うかもしれませんが、実は裏側では本家Bogleheadsのスプレッドシートと同じような計算ロジックを入れています。
- 現実的な期待リターンを採用
Bogleheadsが提唱している「過去100年以上の歴史的データに基づき、インフレ(物価上昇)を差し引いた実質リターンを『株式:5.0%、債券:1.9%』」をもとに、入力された資産配分に合わせて期待リターンを計算しています。 - 100歳で使い切る「PMT計算」
VPWは、あなたの年齢から100歳までの残り年数を算出し使い切るPMT関数がベースとなっています。本家の早見表もPMT関数がベースになってます。 - 将来の年金も「今の資産」として換算(年金ブリッジ機能)
ここが最大の目玉です。前回の記事では年金の話も含めていましたが、VPWの計算方法の説明の部分では省いていました。今回は、例えば「65歳から年240万円もらう」と入力すると、その年金総額を現在の価値に割り引いてポートフォリオに合算してくれます。これにより、年金をもらう前の期間は多めに引き出し、年金開始後は引き出しを減らす「生涯にわたる収入の平準化」を自動で行ってくれます。 - 命綱の「50%暴落ストレステスト」
本家本元がいっている「もし明日、株価が大暴落して資産が半分になったら、その額で生活できるのか?無理そうならば見直せ!」という厳しい現実も同時に表示します。
年金と暴落を考慮して計算!「VPW・FIREシミュレーター」
こちらは、すでにFIREを達成した方、あるいは「今の貯金と年金だけで、今日からリタイアしたらどうなるか?」を知りたい方向けのシミュレーターです。
※スミマセン、ロジックの間違いもあるかもしれませんので、あらかじめご了承ください。
FIREの出口戦略を可視化!シミュレーターの具体的な使い方と入力例
以下の例で入力してみましょう。
- 現在の年齢: 50(歳)
- 現在の運用している資産の残高: 6000(万円)
- 株式の比率: 50(%)
(この場合、株式:債券=5:5で資産運用していることを意味します) - 年金受給開始: 65(歳)
- 予定受給額: 240(万円/年)
入力して「計算する」ボタンを押すと、年金を考慮して100歳まで逃げ切れる金額の「368万円」が出ます。もし年齢を年金受給が始まる「65歳」以上にすると、年金が支給される分+ポートフォリオからの引き出し額が計算されます。
この368万円で生活できそうであれば、本気でFIREを検討してもいいかもしれません。
50歳/6000万円/株式50%/年金受給年齢65歳/受給額240万円の場合
・ステップ1
まず、入力された株式比率(50%)をもとに、このポートフォリオが年間どれくらいインフレに勝てるか(実質リターン)を計算します。
- 株式(5.0%)× 50% = 2.5%
- 債券(1.9%)× 50% = 0.95%
- ポートフォリオの期待実質リターン:年利 3.45%
・ステップ2
50歳の人が、年利3.45%で運用しながら残り50年間で使い切るための引き出し率を計算します。
- 基本のVPW率:約4.1%
・ステップ3
年金をもらうまでの「つなぎ資金」の計算50歳から65歳までの「無年金の15年間」、年金の代わりとして毎年240万円を引き出し続けるために必要な「現在のお金(コスト)」を計算します。
- 年利3.45%で運用しながら、15年間毎年240万円をもらうのに必要な資金
- 年金受給までのつなぎコスト:約2,870万円
・ステップ4
今年の生活費(引き出し額)を確定。
本家のロジックでは、「つなぎとして除外していいのは、資産の半分まで」というルールがあります。現在の資産は6,000万円なので、半分は「3,000万円」です。つなぎに必要な2,870万円は3,000万円に収まっているため、年金のつなぎの240万円は全額フルで引き出してOK。
- VPWに使える資産:6,000万 - 年金つなぎ用 2,870万 = 3,130万円
- 純粋なVPW引き出し額:3,130万 × 4.1% = 約128万円
- 今年の引出額:純粋VPW 128万 + 年金代わりのつなぎ 240万 = 約368万円
【結論】今年の生活費予算は「368万円」!
・ステップ5
もし明日、株式市場が半値に大暴落したらどうなるかを計算します。
- 株式(全体の50%)が半値に大暴落 → 資産全体へのダメージは「25%の減少」
- 暴落後の資産残高:6,000万 - (6,000万 × 25%) = 4,500万円
この「4,500万円」に減ってしまった状態で、翌年の計算をやり直します。
本家のルール「年金のつなぎとして使えるのは資産の半分まで」を適用すると、上限額が「2,250万円」に下がってしまいます。
本来、年金までの無年金期間を乗り切る(理論コスト)には「2,870万円」必要なのに、上限に引っかかって2,250万円しか確保できません。
つまり、「資産が減りすぎて危険だから、年金の代わりにもらっていた240万円をフルで出すのはストップ!本来の2,250万 ÷ 2,870万 =78%(約188万円)までカット」と強制的にブレーキが踏まれます。
これを踏まえて、来年の生活費を再計算します。
- VPWに使える資産:4,500万 - つなぎ用 2,250万(上限額) = 2,250万円
- 暴落後の純粋なVPW引き出し額:2,250万 × 4.1% = 約92万円
- 来年の引出額:純粋VPW 92万 + カットされた年金つなぎ 188万 = 約280万円
【結論】ストレステストの結果、来年の生活費は「280万円」に減少します!
👇さっそく、あなたの数字を入れて計算してみましょう!👇
VPW 年金考慮 シミュレーター
ちなみに私が試した場合、以下の結果になりました。

暴落テストでも来年の生活費が930万円残る計算になり、債券ラダーと組み合わせれば精神的にもかなり余裕を持てそうです。
でも、私も過去、リーマンショックの時、資産が減っていく恐怖で夜も眠れませんでした。だからこそ、こうしたストレステストで最悪を想定し、私の実践している債券投資のような守りの仕組みが必須だと思ってます。
まとめ:ねんきん定期便の数字で「リアルなFIRE生活費」を計算しよう
今回は、本家BogleheadsのVPWシートを日本語で使いやすくした「FIREシミュレーター」を公開しました。
「4%ルールで1億円必要」という言葉に絶望していた方も、このツールに自分の「年齢」と「年金見込み額」を入れて計算してみると、「あれ?意外と少ない資金でも豊かな生活が送れるぞ!」とか「まだまだ資金が足りない」といろいろ見えてくるところがあると思います。 もし、現在の状況で計算した結果「生活が送れそう!」となった方は、FIREを本気で考えてもいいかもしれません。
もちろん、シミュレーションはあくまで計算上の予測ですが、ぜひ『ねんきん定期便』を用意して、あれこれ数字を変えながら、理想のFIREプランを練ってみてくださいね!
皆さんはツールを使ってみて、結果はどうでしたか?
「意外と早くFIREできそう!」「暴落テストで冷や汗が出た…」など、ぜひコメント欄で皆さんのリアルな計算結果やご感想を教えてください!お待ちしています。




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