著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)
ネット証券のクレカ積立が当たり前になり、NISAで投資信託を買うだけでも自然とポイントが貯まる時代になりました。でも、いざiDeCoとなると「そもそもポイント制度なんて聞いたことがない」という方が多いのではないでしょうか。私自身、iDeCoは「税制優遇はあってもポイントとは無縁」だとずっと思い込んでいました。
でも実は、iDeCoの「運用残高」に応じてポイントがもらえる証券会社が存在します。
しかも私は、その仕組みを知らないままSBI証券でiDeCoを開設してしまい、今更ながら後悔しています。この記事では、53歳でFIREを達成し投資歴25年以上の私が、iDeCoでポイントがもらえる証券会社はどこなのか、そして「今から乗り換えるべきか」という疑問に、実体験を交えてお答えします。
iDeCoの残高ポイント還元がある証券会社は?「松井証券」一択になる理由
iDeCoの運用残高に対してポイント還元を行っている主な金融機関は、現状「松井証券」と「auのiDeCo(auアセットマネジメント)」の2社があります。 しかし、結論から言うと、実質的な選択肢は 「松井証券」一択 になります。
なぜそういう結論になるのか?
それは、ポイント還元を受けるために信託報酬の高い投資信託を買わないといけないからです。
auのiDeCoは、以下4つの投資信託のみポイントが付与されます。(※2026年8月時点の情報です)
- auスマート・ベーシック(安定)と(安定成長)
信託報酬は0.242%で、還元率は0.04%(au回線契約あり)〜0.02%(契約なし)。 - auスマート・プライム(成長)と(高成長)
信託報酬が0.902%で、還元率は0.10%(契約あり)〜0.05%(契約なし)です。
いくらポイントで還元されても、支払う信託報酬の方がはるかに大きいため、トータルリターンで考えると本末転倒と言わざるを得ません。長期投資においてコストは確実にリターンを削る要因ですから、これは見過ごせません。
※参考:auの投資信託ポイントプログラム
一方で松井証券は、信託報酬が極めて安い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などの優良なインデックスファンドでも、しっかりポイント還元の対象になります。ポイント還元は投資信託によって異なり、オルカンの場合、還元率は0.0175%です。つまり、100万円の残高で年間175ポイントがもらえる計算になります。 (※2026年8月時点の情報です)
※参考:松井証券 投資信託のポイントプログラム
「えっ、100万円の保有残高で年間たったの175円分?少なすぎない?」と思われるかもしれません。確かに単年度で見れば微々たる額です。 しかし、iDeCoは原則60歳まで、長ければ数十年にわたって続く超・長期運用です。何もせず毎年勝手にポイントが入り、それが数十年積み重なる仕組みは決して無視できません。
ちなみに、サラリーマンにとってiDeCo最大のメリットは、ポイントよりも「掛け金の全額所得控除」による確実な節税効果です。この点は以前の記事で詳しくシミュレーションしていますので、あわせてご覧いただけると嬉しいです。
▼参考記事
松井証券iDeCoの注意点!「毎月の手動エントリー」の落とし穴
ただ、松井証券にも注意点があります。実はこのポイント、自動で付与されるわけではなく、毎月自分でエントリー操作をしないともらえない仕様になっています。
iDeCoは基本的に「ほったらかし運用」が前提の制度です。それなのに、ポイ活のように毎月ログインしてエントリーする手間が発生するのは、正直「ちょっと面倒だな」と感じる部分でもあります。
とはいえ、毎月何かしらの操作が必要というのは、他の金融機関のポイント制度でもよくある話です。私の場合、月初にクレカ・QRコード決済・証券会社・銀行の残高をまとめてチェックする「月1回の家計簿タイム」を設けているので、そのタイミングでまとめてエントリーすれば、うっかり忘れることもなさそうです。
ご自身のお金の管理ルーティンの中に「月1回のログイン」を組み込める方であれば、この落とし穴は簡単に対策できるはずです。
SBI証券で始めた私が「松井証券への移換」を断念した理由
さて、ここからは、私の失敗談です。
すでにお話しした通り、実は私、iDeCoの残高ポイント制度を知らずにSBI証券で口座を開設してしまい、失敗したと後悔しています。SBI証券自体は素晴らしい証券会社で、NISAや特定口座では投信マイレージという制度でポイントがしっかり付くのですが、iDeCoの残高は対象外です。
「じゃあ今から松井証券に乗り換えよう」とは考えたりもしましたが、調べれば調べるほど、iDeCoの金融機関変更(移換)は想像以上に大変な手続きだとわかりました。
手続きには通常2〜3ヶ月かかります。しかも移換の際に、保有している投資信託は一度強制的にすべて売却され、現金化された状態になります。
つまり、移換手続きが完了するまでの数ヶ月間は市場から強制的に退場させられ、移換先で再び投資信託を買い直すことになるのです。
年間数百ポイントのお小遣いをもらうために、大切な資産を数ヶ月間も市場から退場させられるのはリスクがある。私はそう判断し、移換を断念してSBI証券のまま運用を続けることにしました。
【FIRE・退職後】ポイントよりも「出口戦略」で手取りは決まる
証券会社選びやポイント還元も気になるところですが、iDeCoで最終的に手元に残る金額を大きく左右するのは、実は「受け取り方(出口戦略)」です。
受け取り時には「退職所得控除」という非課税枠を使えますが、この枠が足りないと、積み立てた元本部分にまで税金がかかってしまうことがあります。せっかくポイントで得た小さな利益も、税金の負担が大きければ一瞬で吹き飛んでしまいかねません。
私自身は、FIRE後も少額の掛け金を拠出し続けることで、この退職所得控除の枠をコツコツ復活させる戦略を実践しています。この「守りの出口戦略」の具体的な数字や考え方については、以前の記事に詳しくまとめていますので、気になる方はぜひ読んでみてください。
▼参考記事
さいごに
今回の記事のポイントをまとめます。
- これからiDeCoを始めるなら:信託報酬の安いインデックス投信でも残高ポイントが貯まる「松井証券」が第一候補。ただし、毎月の手動エントリーが必要な点には注意。
- すでに他社で運用中の人は:ポイント目的での移換(乗り換え)はNG。2〜3ヶ月の強制現金化による機会損失リスクが大きいため、現状維持が吉。
- 本当に大切なのは:数百円のポイントよりも、受取時の税金を最小化する「出口戦略」。
私自身、最初の証券会社選びで少し失敗したなという思いはありましたが、それも勉強代です。過去の選択を悔やむよりも、今の口座でできる限りの運用を続け、出口戦略をしっかり練ることに集中しています。
PS
皆さんはどこの金融機関でiDeCoを運用されていますか? 口座選びの決め手や、逆に「失敗したな〜」というエピソードなどがあれば、ぜひコメント欄で教えてください!




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