【独自調査】年金受給開始は何歳から?FIRE民81人が選んだ「繰り上げ・繰り下げ」のリアルな割合

年金受給 みんな何歳から? アンケート

 著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)

先週書いた記事『【手取りの損益分岐点】年金「繰り上げ」が最強?私が70歳繰り下げを選ぶ理由』では、本当にたくさんのページビューがありました。この記事に合わせて「皆さんは年金受給をどうする予定ですか?」とアンケートをお願いしたところ、なんと短い期間で81名もの方にご回答をいただきました。貴重なお時間を割いてくださった皆さま、本当にありがとうございます!

「年金なんてまだ先の話」と思う方もいるかもしれませんが、40代〜50代のFIRE志望者や、すでに出口戦略を見据えている方にとって、年金は老後のキャッシュフローを左右する最大の要になると思います。

今回は、集計したアンケート結果を発表するとともに、マネーリテラシーの高い当ブログの読者層が「なぜその年齢を選んだのか」というリアルな背景と戦略を、私なりの目線でじっくり考察してみました。

この記事を読めば、世間の一般論ではなく、実際のFIRE予備軍・投資家たちが考えている「年金のリアル」が見えてくるはずです。


これまでのアンケート結果は以下のページにまとめてみました。興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。


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【アンケート結果】年金受給、みんな何歳から?

さっそく、全81件のアンケート集計結果を発表します。

今回のアンケートでは、「【年金戦略】老齢基礎・厚生年金の受給開始、あなたはどうする(予定)?」という設問に対し、ベースとなる4つの選択肢をご用意しました。

また、すでに具体的な方針が決まっている方のために自由記述の欄も設けたところ、「60」「63」「65」「65歳からすでに受給している」といった、より具体的でリアルな声も複数寄せられました。

以下は、それらの自由記述の回答も含めて各年齢層に分類し、集計した結果となります。

受給開始の戦略(年齢)回答数割合
最速・繰り上げ派(60〜64歳)27件33.3%
原則・バランス派(65歳)34件42.0%
長生きリスク・繰り下げ派(66〜70歳)15件18.5%
極限・最大化派(71〜75歳)5件6.2%

最も多かったのは、「原則通りの65歳」でした。
退職のタイミングと合わせやすく、資金計画も立てやすいため、最も無難な選択であることは間違いないかもしれませんね。

一方、アンケートに答えていただいた方の約58%(65歳を選択した42%以外の方)が、国の標準にただ従うのではなく「自分のライフスタイルに合わせて受給年齢をズラす」と決めている ようです。これは、当ブログの読者の皆さまのお金に対する意識の高さ、マネーリテラシーの高さを如実に表している結果だと言えます。

驚きの結果!年金を早くもらう「繰り上げ派(60〜64歳)」が3割もいる理由

今回の集計で非常に興味深かったのが、「最速・繰り上げ派(60〜64歳)」が33.3%と、全体の3分の1を占めたことです。

年金を早くもらう(繰り上げる)と、1ヶ月あたり0.4%、60歳まで前倒しすれば最大で24%も一生涯の年金月額が減額されます。数字だけ見れば大きなデメリットですが、それでも3割以上の方が「早くもらう」ことを選んでいます。

この背景には、単なる支給される年金の額面だけでなく、現代の「価値観の変化」が強く影響しているのかもしれません。

  1. 健康寿命へのリアルな意識
    「足腰が元気で、旅行や趣味を心の底から楽しめるうちに、お金を使いたい」という切実な声が背景にあると思います。いくら80歳で年金が増えても、ベッドの上ではお金の使い道が限られてしまいます。
  2. 税金・社会保険料(手取り最大化)の戦略
    前回の記事でも触れましたが、年金は額面が増えると税金や国民健康保険料も跳ね上がります。あえて繰り上げて年金の額面を抑えることで「住民税非課税世帯」の枠に潜り込み、手取りを最大化しようとするしたたかな戦略です。
  3. 「自分が何歳まで生きるか」の不確実性
    「もらえるものは、もらえるうちにもらっておく」という、国の制度に対するある種の防衛策とも言えます。

私自身は「70歳繰り下げ派」ですが、この繰り上げ派の皆さんの気持ちも分かります。オンラインで知り合ったFIRE仲間と話でも、「早くもらった方がよい」という声は非常に多かったです。

約25%が年金を遅らせる「繰り下げ受給」を選択!見据えるのは”長生きリスク”

一方で、「66〜70歳(18.5%)」と「71〜75歳(6.2%)」を合わせた、約4人に1人(24.7%)が、受給を遅らせて年金を増やす「繰り下げ派」です。

私もこの層に属しています。
年金を繰り下げると、1ヶ月遅らせるごとに0.7%、70歳で42%、75歳なら最大84%も年金額が増えます。

なぜ受給を遅らせるのか?それは、年金を「得するか損するか」の金融商品ではなく、「想定外に長生きして手元の資産が枯渇してしまった時の、最強の保険」として捉えているからです。

私自身、退職後は資産運用は「攻め」から「守り」へシフトし、資産を減らさないことを最優先にしています。だからこそ、自分が90歳、100歳まで生きたとしても絶対にキャッシュフローが途絶えないよう、基礎年金と厚生年金を繰り下げて底上げしておくつもりです。

ただし、これは「年金をもらわない期間(60代)の生活費を、自力の資産で賄える」という前提があってこその戦略であることは否定しません。

▼私が繰り下げ派である理由

※注記:本記事で記載している年金の繰り上げによる減額率(月0.4%)や、繰り下げによる増額率(月0.7%)は、2022年4月以降の制度改正に基づく現行の数字です(昭和37年4月2日以降生まれの方に適用されます)。

年金はいつからもらうべき?FIRE民に向けた「年金戦略」最適解の出し方

アンケート結果を通じて見えてきたのは、年金の受け取り方に、万人に共通する「絶対の正解」はなかったということです。

「65歳でもらうのが普通」「繰り上げは損」「繰り下げは税金で損」といったネットの極端な意見に振り回される必要はないと思います。最適解は、あなた自身の資産状況と、どんな老後を送りたいかという「価値観」で決まりそうです。

 繰り上げ受給×NISA運用の罠!FIRE民が陥りやすい暴落リスク

ここで、投資経験が豊富なFIRE志望の方へ一つだけ注意喚起をしておきます。

繰り上げ派の意見で、「早く年金をもらって、その分をNISA(インデックス投資)で運用すれば、減額分なんて簡単にカバーできる」という主張をよく耳にします。
計算上は確かにその通りなのですが、私はこの戦略を手放しで推奨することはできません。

私が25年の投資歴の中で経験したITバブル崩壊やリーマンショックでは、株価が元の水準に回復するまでに約5年という長い歳月がかかりました。若い頃なら「何も考えずに放置」で済みますが、老後の命綱である年金をリスク資産に全振りし、そこで大暴落を食らったら、精神的に耐えられますでしょうか?

投資において一番怖いのは「市場から退場させられること(手元資金がショートすること)」です。年金を運用に回すなら、あくまで「最悪ゼロになっても生活が破綻しない余裕資金の範囲内」にとどめることを強くおすすめします。

まずは「自分の数字」を知ることから

自分の年金戦略を決めるための第一歩は、「自分が将来いくらもらえるのか」を正確に把握することです。

なんとなくの想像で決めるのではなく、まずは日本年金機構の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」にログインし、ご自身の受給見込額を確認してみてください。そして、私的年金、iDeCo、NISA、配偶者の年金(加給年金など)などを見える化し、夫婦で話し合ってみるのが一番です。

さいごに

今回のアンケート結果をまとめると、以下のようになります。

  • 65歳受給は最多だが、実は過半数割れ(42.0%)。
  • 「今を楽しむ」「手取り重視」の繰り上げ派が3割超(33.3%)。
  • 「長生きリスクの保険」と捉える繰り下げ派が約4人に1人(24.7%)。
  • 最適解は「資産状況」×「価値観」。他人の意見ではなく自分の数字でシミュレーションすることが重要。

年金の受給開始年齢は、単なる損得勘定ではなく「あなたが老後の人生をどう生きたいか」を映し出す鏡です。今回のアンケート結果が、ご自身の出口戦略を考える上での良いスパイスになれば嬉しいです。

PS
今回のアンケート結果を見て、皆さんはどう感じましたか?
「やっぱり自分は今を楽しむために繰り上げだ!」「いやいや、この記事を読んで繰り下げもアリだと思った」「私の場合はこんなパズルで手取りを最大化しています!」など、ぜひコメント欄で皆さんのリアルなご意見や戦略をお聞かせください。

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