今回もアンケートへのご協力、ありがとうございます。
第4回目の質問は、
「実際に投資している資産を全て選んでください(投資額の上位5位まで)」
でした。
いつもは50人前後の方にご協力いただいていましたが、今回は74人の方にご協力いただけました。本当にありがとうございます。
今回の質問は「FIRE達成のために、結局何を買えばいいんだろう?」「SNSでは仮想通貨やFANG+のような投信が話題だけど、買わなくても良いの?」という疑問に答えるためのものでした。
私自身、25年の投資人生の中で、ITバブル崩壊やリーマンショックという痛い失敗を経験してきました。その度に「結局、何が正解なのか?」と自問自答してきましたが、皆さんがどのようなものを持っているかを知りたいと思いました。
私自身がインデックス投資派なので、設問が偏っている場合もありますが、FIRE達成者のリアルが見えてきます。
なお、今回のアンケート結果はボリュームがあるため、前編・後編の2本に分けてお届けします。
前編では「投票結果から見える、FIRE民が選ぶ4つのコア資産」を中心に、後編では「各投票内容を詳細に確認してわかる、投資スタイルと選ばれない資産」について記事にします。
これまでのアンケート結果は以下のページにまとめてみました。興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。
結果発表:FIRE民74人が選んだ資産ランキング
それでは、アンケート結果を見てみましょう。
| 項目 | 票数 | 割合 |
|---|---|---|
| 全世界株式インデックス(VT、オルカンなど) | 56 | 74% |
| 米国株式インデックス(S&P500、VTI、ナスダック100等) | 51 | 67% |
| 日本株式インデックス(日経225、TOPIX連動など) | 14 | 18% |
| 高配当株・優待株(日本・米国等):配当金・キャッシュフロー目的 | 41 | 54% |
| 個別成長株(米国・日本等):集中投資・キャピタルゲイン目的 | 14 | 18% |
| レバレッジ・テーマ型・アクティブ投信(FANG+、レバナス、ひふみ等) | 6 | 8% |
| 債券・MMF(国債、社債、債券ETF、外貨建MMF等):守りの資産 | 33 | 43% |
| 現物不動産投資・太陽光発電(一棟マンション、区分、事業用等) | 1 | 1% |
| REIT・インフラファンド・不動産クラファン:分配金目的のペーパー資産 | 15 | 20% |
| 金・貴金属・コモディティ(ゴールドETF、純金積立等) | 21 | 28% |
| 暗号資産(ビットコイン・イーサリアム等) | 6 | 8% |
| 現金・預貯金(生活費、および暴落時の買い増し待機資金) | 48 | 63% |
| その他(ソーシャルレンディング、未公開株、ロボアド等) | 3 | 4% |

3つのTierで見る資産の優先順位
この結果を得票率で分類すると、FIRE民の投資戦略が明確に見えてきそうです。
Tier 1:コア・ポートフォリオ(50%以上が選択)
→ FIRE民の絶対的なコア資産
- 全世界株式インデックス:75.7%
- 米国株式インデックス:68.9%
- 現金・預貯金:64.9%
- 高配当株・優待株:55.4%
Tier 2:サテライト資産(20〜50%が選択)
→ 重要だが、人によって判断が分かれる資産
- 債券・MMF:44.6%
- 金・貴金属・コモディティ:28.4%
- REIT・インフラファンド:20.3%
Tier 3:ニッチ資産(20%未満)
→ 多くの人にとって優先度が低い、またはニッチな資産
- 日本株式インデックス:18.9%
- 個別成長株:18.9%
- レバレッジ・テーマ・アクティブ型投信:8.1%
- 暗号資産:8.1%
- その他:4.1%
- 現物不動産投資:1.4%
この分類から分かることは、FIRE達成者の大多数が「Tier 1の4つの資産」を投資の核としているという事実です。
個人的には、日本株を選択している方が少なかったことに驚きました。
FIRE民の7割以上が選んだ「4つのコア資産」
まず、このアンケートの重要なポイントの確認です。
今回、回答者は「最大5つまで」しか選択できないという制約がありました。つまり、数ある投資先の中から「これだけは絶対に外せない」と考える上位5つを選んでもらった結果となります。
よって、ここで高い数字を叩き出した資産は、まさに「FIRE民の投資のコア」と言えると思います。
FIRE民が選ぶ最重要資産 TOP4
- 全世界株式インデックス:75.7%
- 米国株式インデックス:68.9%
- 現金・預貯金:64.9% ← 個人的には意外な結果!
- 高配当株・優待株:55.4%
いかがでしょうか?4人に3人が全世界株式を「最重要5資産」に選び、7割近くが米国株式を選んでいます。ここまでは予想通りかもしれません。
しかし、注目したいのは、第3位の「現金・預貯金」です。
実に64.9%、つまり3人に2人が現金を「最重要資産」の一つとして位置づけているようです。個人的には「意外な結果」となりました。
一般に「投資」というと、つい株や投資信託ばかりに目が行きがちです。「現金で持っていてもインフレで目減りするだけ」という意見もよく聞きます。
しかしながら、FIREを達成した人や目指す人は、現金が重要であると思っているという結果になりました。
そして第4位の高配当株が55.4%。つまり、過半数がこの投資先を重要投資先として選んでいます。
この上位4資産から推測するFIRE民の投資戦略の核心は以下かと思います。
「成長(インデックス)」「守り(現金)」「キャッシュフロー(高配当)」という3つの要素をバランスよく組み合わせ。
全世界株 VS 米国株 ではなく、両方を持つバランス感覚。
興味深いのは、75.7%が全世界株を選び、68.9%が米国株を選んでいるという事実です。
単純計算では合計が100%を超えるため、両方を保有している方が多いということです。
今回アンケートの設問を作るにあたり、あえて「全世界株式」と「米国株式」を分けて作成しました。それは、「S&P500一本でいいよ」という派閥と、「全世界に分散すべき」という派閥の論争をよく見かけるため、どっちが優勢かを知りたかったからです。
答えは、
「両方持っている」
という、私にとっては意外な結果でした。
ちなみに私は全世界株式派ですが、実はFIRE民の多くが「両方」を保有しているようです。広く分散しつつも、米国に比重を置くというバランス感覚がこのような結果になったのかと思います。
全世界株式一本でも十分分散は効いています。しかし現実問題として、世界経済の中心は依然として米国です。GAFAMをはじめとする革新的企業の多くが米国に集中している以上、米国株式への追加投資は理にかなっているようにも感じます。
FIRE民の間で主流のスタイルは以下のようです。
「全世界株をベースに、米国株で上乗せ」
なぜ「現金・預貯金」が第3位なのか?
今回、回答が5つまでという制約の中、ほとんどの方が現金を選んでいるのは、非常に興味深い結果です。
結果から理由を推測するのは簡単で、おそらく以下2つの理由があると思います。
理由1:暴落時に狼狽売りしないため
全力投資の状態で暴落に遭遇すると、冷静さを失い、最悪のタイミングで売却してしまう。これが最も避けるべき「退場パターン」です。 現金のクッションがあれば狼狽売りせずに済むという考え方。
理由2:最高のタイミングで買い増しできる
暴落時に現金を持っていれば、優良資産を安値で買い増しできます。これは長期投資において、効率的なリターン向上策の一つです。「現金を持っていると機会損失だ」という意見もありますが、必ず調整局面が来ます。その時に動ける資金を持っておこうという考え方。
理由はさておき、FIRE民の皆さんのスタンスは以下だったと思います。
現金を暴落時の精神安定剤であり、最強の買い増しツールであると考えている
インデックス(成長)と高配当(キャッシュフロー)のハイブリッド戦略
さて、重要と考えている4つ目の資産が「高配当株」(55.4%)です。
私自身は、高配当株や優待株には全く投資していません。しかしFIRE民の過半数が、これらを重要資産に選んでいる事実は、極めて重要なポイントです。
なぜ高配当株なのか?
私自身投資していないので推測の域を出ませんが、「資産を最大化するためのインデックス投資」と「日々の生活費を安定させる高配当投資」の両立なのではないかと考えます。
FIRE後の生活費をどう賄うか。理論的には、投資資産を少しずつ取り崩せばいいわけですが、けっこう「資産を売却する」というのは心理的ハードルが高いと感じます。特に暴落局面では、資産が減っているのにさらに取り崩さなければならない。これはかなりのストレスになります。
一方、高配当株やREITから定期的に配当金・分配金が入ってくれば、「入ってきたお金を使っているだけ」という感覚になります。元本は減りません。これは心理的に全く違います。
私自身、ソーシャルレンディングや債券からの利息収入を得ていますが、まさに同じ理由からです。定期的なキャッシュフローがあると、心が本当に安定します。
よって、以下のような結論かと思います。
取り崩しの心理的ハードルを下げる効果を得るため、高配当(キャッシュフロー)に投資している。
まとめ:まずは「4大資産」を投資の核に据える
ここまで、FIRE民74人のアンケート結果から見えてきた「最重要資産」について書いてきました。
派手な投資法や、一攫千金を狙うような戦略は一切出てきませんでした。その代わりに見えてきたのは、極めて堅実で、再現性の高い王道の投資戦略でした。
FIRE達成者の投資戦略 3つのポイント
1.全世界株・米国株で成長を狙う
→ 広く分散しつつ、米国に比重を置くバランス感覚
2.現金を必ず確保する
→ 暴落時のメンタル安定剤として、そして買い増しツールとして
3.高配当株でキャッシュフローを作る
→ 取り崩しの心理的ハードルを下げ、安定した生活費を確保
特に重要なのは、インデックス投資だけで終わらせていないことです。 現金という「守りのクッション」と、高配当株という「定期収入源」。これらを組み合わせることで、初めて「心の平穏を保ちながらFIRE生活を送れる体制」が整うと思います。
次回は、「各投票内容を詳細に確認してわかる、投資スタイルと選ばれない資産」に続きます。
▼後編





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