著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)
SNSを眺めていると、「FIRE後の生活って結局暇なんじゃないの?」「やることがなくて、そのうち失敗するのでは?」といった声を見かけることがあります。
たしかに、毎日、動画を倍速で観たり、隙間時間まで分刻みのスケジュールで埋めたりして、常に「タイパ(タイムパフォーマンス)」に追われている感覚のある人からすれば、「何もせずぼーっとする時間」は不安の種に映るのかもしれません。「時間をお金で買う」ことはできても、「何もしない時間」を自分に許可するのは、意外と難しいのが今の時代のリアルだと思います。
53歳で完全FIREを達成し、守りの資産運用を続けながら暮らす私が実感しているのは、FIREがもたらす本当の価値は、派手な豪遊ではなく「平日の昼下がりに、何の実益もない『1時間ぼーっとする時間』を自分に許せる自由」にあるということです。
実は昨日は平日昼間から温泉に行ってきたのですが、今回は、半年前の「大混雑による敗北」から学び、事前のちょっとした計画で見事「貸切状態の露天風呂」を勝ち取ったリベンジの実録を通して、心のゆとりを取り戻すヒントをお届けします。
平日昼間でも混雑?インバウンド時代の「FIRE特権」リベンジ戦略
今年1月、「平日だし、マイナーな温泉だから、きっと貸切状態だろう」とふらり向かった大阪・犬鳴山温泉で、外国人観光客や学生グループの熱気あふれる芋洗い状態に直面しました。「平日=ガラガラ」というFIRE達成者の特権的な幻想は、見事に打ち砕かれることに。詳しい顛末は、こちらの記事に書いています。
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お金があっても、静寂は買えない。その手痛い敗北から半年、「いつか必ずリベンジしてやる」と誓っていた私は、一昨日の段階で、綿密に……とは言えないまでも少しばかりの計画を練り、昨日、妻を連れて再び大阪府唯一の温泉郷の犬鳴山へと向かいました。
「平日なんだから、適当に行っても空いてるでしょ?」と思われるかもしれませんが、今の観光地はインバウンドなどの影響で、平日でも人が多いのが当たり前になっています。昔の「平日=ガラガラ」という常識は、もう通用しないというのが正直な実感です。だからこそ今回は、完全な行き当たりばったりを捨て、ほんの少しの計画性を持たせることにしました。具体的には、ネットで温泉旅館の情報を調べて空いている時間帯の「15〜17時狙い」という動線を、あらかじめざっくりと決めておきました。
温泉前の犬鳴山七宝滝寺さんぽ:平日でも賑わう観光地のリアル
そこそこ近場なので朝一番ではなく、お昼からスタートしました。本命の温泉に入る前に、1箇所だけ観光として日本最古の修験道霊場である「犬鳴山七宝滝寺」をコースに組み込みます。

観光名所だけあって、平日でもやはり人の姿があり、「今回もまた混んでいるのでは……」と少しドキドキしながらの参拝でした。お寺には見どころスポットが多く、それぞれにお賽銭箱が置かれています。「少しずつなら」と各所でお賽銭を入れて回るうちに、あっという間に小銭入れが空になってしまい、我ながら苦笑いしてしまいました。さらに200円で、お財布に入れる小さな飾りがついたおみくじを引き、夫婦でのんびりとした時間を楽しみました。
資産2億でも贅沢は1200円。「み奈美亭」15時狙いで叶えた貸切露天風呂
お寺での観光を終え、いよいよ本命の温泉へ。最も人が引きそうな「15時〜17時」をピンポイントで狙って、犬鳴山温泉では有名な旅館の「み奈美亭」に向かいました。
「わざわざ計画してまで行くほどの温泉なの?」と思われるかもしれませんが、ここは泉質が非常に良く、リピートする価値が十二分にある温泉だと私は思っています。
入浴料1200円を支払い暖簾をくぐると、そこには前回とは打って変わって、見事なまでの「貸切風呂状態」が待っていました。ここのお湯は本当に素晴らしく、美容液のようにとろりとした独特の泉質で、湯上がりには肌が驚くほどすべすべになるのが特徴です。誰一人いない露天風呂の湯船に浸かり、目の前の豊かな自然を眺めながら、約1時間。スマホも鳴らず、時計も気にせず、ただひたすらに「ぼーっとする」極上の時間を堪能し、見事リベンジを果たしました。


ちなみに、前回訪れた「不動口館」さんにもいたご当地キャラクターがこちらにもあり、専用コーナーまで設けられているのを見て、ご当地キャラの根強い人気ぶりにびっくりしました。
FIRE後の現実は暇?タイパ至上主義から抜け出す「時間主権」という至福
世間は今、いかに時間を効率よく使うかという「タイパ」至上主義に溢れています。しかしそれは裏を返せば、常に何かに追われ、心をすり減らしている状態とも言えます。28年以上、大企業に勤めていた私自身も、かつてはその一人でした。
「FIREしたら毎日暇で飽きないの?」と聞かれることもあります。たしかに予定のない日は増えますが、能動的に「空白」を楽しむ術さえ知っていれば、これほど贅沢な時間はありません。
総資産2億3000万円という基盤を作り、守りの運用を続けて完全FIREを手に入れた今、真の豊かさとは「高級リゾートで散財すること」ではないと断言できます。平日の昼下がりに、何の実益も生まない「1時間ただぼーっとする空白」を、誰にも遠慮することなく自分に許可する。この「時間主権」を行使できることこそが、長年の会社員生活を経て手に入れたFIRE最大の果実なのだと、貸切状態の露天風呂で自然に包まれながら、あらためて実感しました。
まとめ:資産2億円を超えても変わらない、日常の小さな幸せ
今回の犬鳴山温泉リベンジを振り返ると、次のような流れでした。
- 無計画で大混雑に敗北した1月から一転、事前の軽い計画(15〜17時狙い)でリベンジに挑戦
- 犬鳴山七宝滝寺の散策を経て、入浴料1200円のみ奈美亭で、極上のとろみのあるお湯と1時間の静寂(貸切状態)を独占
- タイパを追い求める現代だからこそ、「ただぼーっとする時間」こそが人生の贅沢になる、という気づき
完璧な静寂とすべすべの肌を手に入れた帰り道は、ふらりと立ち寄った台湾料理のお店で、妻とお腹を満たして帰路につきました。背伸びしない、こういう何気ない日常の延長にある幸福を、これからも大切にしていきたいと思います。
PS
もし明日、仕事を休んで「1時間、自由にぼーっとできる時間」があったら、皆さんはどこで何をしたいですか?ぜひ、コメント欄で皆さんの「理想の時間の使い方」を教えてください!




コメント
リベンジ見事に成功ですね!
「1時間ただぼーっとする空白」を思いっきり使えるFIREの良さに共感しました
ずぉさん、コメントありがとうございます。
ようやくリベンジできました。
時間を思いっきり使えるのはFIREの特権ですよね
私は50歳を過ぎたら、いろんなことがどうでもよくなりました。
「何もしない時間」を許せますか?
そんな疑問が浮かんでくるうちは会社勤めを続けていたほうが幸せだと思いますよ。
コメントありがとうございます。
この「許せますか?」は私自身が迷っているという意味ではなく、会社員時代なら罪悪感すら覚えていたであろう時間の使い方を、あえて読者に問いかけてみた仕掛けです。ゴマニンニクさんのように自然に「どうでもよくなる」境地に至れているなら、それもまた一つの理想形だと思います。
果たして私は、何もしない時間を許せるだろうか?
そういう状況になってみないと、分からない、というのが正直なところです。
年々体力が落ちていく中で、北アルプス縦走やりたいなあ!とか、非日常的な「やりたいこと」はたくさん思いつきます。
しかし、「何もしない日常」は、想像を超えているんですよね。
コメントありがとうございます。
北アルプス縦走、ロマンがあって素晴らしい目標ですね!
この「FIRE後の空白時間の使い方」は、多くの人が直面する非常に大きなテーマですよね。
日々の空白にどう向き合うか。焦らずご自身のペースで探っていけば大丈夫だと思います。