【全東信の破産】バンカーズ等のソシャレンから間一髪で逃げ切れた理由と3つの防衛策

全東信破綻!大負けしない3つの防衛策 ニュース

 著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)

2026年7月、「クレジットカード決済代行の大手が過去最大級の負債を抱えて破産」というニュースをご存知でしょうか。飲食店の連鎖倒産や、地方銀行の融資焦げ付きなど、私たちの生活圏にもじわじわ余波が広がっている「全東信」の破綻劇です。

多くの方にとっては「対岸の火事」的なニュースかもしれません。でも私にとっては、決して他人事では済まされない話でした。実は私、ソーシャルレンディングの「オルタナバンク」や「バンカーズ」を通じて、この全東信案件に複数回投資していたのです

結論から言うと、私は過去の不祥事ニュースをきっかけに新規投資を減らし、既存の資金の回収に動きました。その結果、全東信が破綻するわずか1ヶ月ほど前というギリギリのタイミングで、投資資金を無事に全額回収することができたのです。

投資歴25年、ソーシャルレンディングには一時2,500万円・100案件以上を投じてきた50代FIREおやじの視点から、今回は「黒字」に見せかけられていた粉飾の裏側と、過去のソーシャルレンディング破綻の教訓も踏まえた「大負けしないための3つの防衛策」を解説します。

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負債1,250億円超!決済代行大手「全東信」破綻の真相と20年にわたる粉飾の恐怖

まずは今回のニュースを簡単に整理しておきます。

クレジットカード加盟店への早期決済代行サービスを手がけていた全東信(大阪市)は、2026年7月6日、大阪地裁に自己破産を申請し、同日付で破産手続き開始の決定を受けました。負債総額は、帝国データバンク調べで約1,259億円(2025年3月期末時点)、東京商工リサーチが入手した破産申立書ベースでは金融債権者63社・約1,151億円と報じられており、2026年に入ってから最大規模の倒産となっています。
出典:日本経済新聞「クレジットカードの決済代行の全東信が破産 負債1259億円」

表向きの経営悪化要因は、コロナ禍で主要取引先だった飲食店が休業・時短を強いられ、年間収入高が約80億円から約50億円へ落ち込んだこと。そして2024年1月に発覚した「加盟店の不正契約」問題(社員逮捕、法人としても書類送検)による深刻な信用不安でした。

しかし、本当の衝撃はここからでした。破産手続き開始からわずか2日後、東京商工リサーチの調査によって、全東信が少なくとも20年前から決算を粉飾していた疑いが浮上したのです。

預金残高の水増し(約170億円)、架空債権の計上(約154億円)、実質無価値の営業権の過大計上(約88億円)、加盟店への未払い金の未計上(約217億円)……。こうした粉飾を是正すると、帳簿上は約24億8,000万円のプラスだったはずの純資産が、実は約605億円ものマイナス(債務超過)だった可能性があるというのです。
出典:東京商工リサーチ「破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ」

正直に言います。
このニュースを見た瞬間、「帳簿の改ざんがあって最初から債務超過だったなんて、地獄に落ちろ」というのが私の偽らざる本音でした。私たち投資家は、公開された財務情報を信じてお金を託すしかないのに、その土台が根底から嘘だったということです。

なぜバンカーズ等で全東信に投資し、そして「撤退」できたのか?

では、なぜ私がこの全東信案件に投資していたのか。それは、「早期決済代行」というビジネスモデルそのものが、信用力のある大手クレジットカード会社からの入金を待つだけの仕組みであり、そう簡単には破綻しないだろうと高をくくっていたからです。

私はオルタナバンクやバンカーズというソーシャルレンディングを通じて、全東信を融資先とするファンドにいくつも資金を投じていました。

その1:オルタナバンクを通じて、全東信に投資 
その2:バンカーズを通じて、全東信に投資

自己資本比率の低さは気になっていましたが、決算自体は黒字でした。一時期赤字に転落した際は投資を控え、黒字に戻ったタイミングで再開する、という慎重なスタンスを取っていたつもりです。

ただ、2024年前半に幹部の不祥事に関するニュースが流れたりと、少し危ない雰囲気が出てきましたので、全東信関連への投資を徐々に減らしていきました。

ただ、ソーシャルレンディングの本当に怖いところは、「やめる」と決めてもすぐにお金が戻ってくるわけではない点です。一度投資すると、案件によっては資金が1年から長くて2年近く固定されるため、償還されるまではただ指をくわえて待つしかありません。私自身もハラハラする期間が続きましたが、結果的に全東信が破綻するわずか1ヶ月前というタイミングで、無事に資金を回収することができました。

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ソーシャルレンディング(ソシャレン)破綻から資産を守る!大負けしない3つの防衛策

そもそもソーシャルレンディングは、金融庁も「高い利回りの裏には高いリスクが存在する」とたびたび注意喚起を行っている金融商品です。
(参考:金融庁「ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください」)

今回のような粉飾による「財務諸表の嘘」を、情報を持たない個人投資家が事前に見抜くのは極めて困難です。投資はあくまで自己責任だからこそ、自分の大切な資産を守るためには、自分なりの「マイルール」を鉄の意志で守り抜くしかありません。

私が過去のmaneo破綻(確定損失額281,898円・未回収金127,639円という痛い経験は以下の記事で公開しています)も経験した上で導き出した、3つの防衛策をご紹介します。

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1. 「赤字企業」は絶対NG!担保付きファンドの過信は禁物

粉飾されてしまえば投資家側には防ぎようがありませんが、それでも「損益計算書が赤字の企業には、どんなに立派な担保が設定されていようと絶対に手を出さない」というのが私の絶対的なルールです。

過去の損失案件は、たいてい赤字企業でした。しかも、担保設定があってもほとんど役に立ちません。いざ破綻すると、銀行など優先度の高い債権者が先に資金を回収してしまい、一般の投資家には一銭も回ってこないのが現実です。そもそも担保の評価額自体が、貸したい業者と借りたい企業双方の思惑によって、実勢価格より不当に高く設定されがちだという実態も、身をもって学びました。

2. 不祥事・違和感が出たら「ストップ」。ソシャレンの「期間拘束」の恐怖

投資先や運営元に行政処分や不祥事のニュースが出た瞬間が、最後の引き際です。「次は大丈夫だろう」という淡い期待は命取りになります。ソシャレンは一度投資すると資金が長期間拘束されるため、異常を察知した瞬間に新規投資を完全に断つという迅速な判断が、その後の明暗を分けます。実際、このルールを徹底したおかげで、過去に悪名高き太陽光発電業者の案件から間一髪で逃れられた経験もあります。

3. 「少額×複数」の徹底分散。私は一時100案件以上に分散していた

ソシャレンは基本的にハイリスクな投資であるという大前提を忘れてはいけません。1つの企業やファンドに資金を集中させるのはギャンブルです。私自身、一時は複数の業者を利用し、常に100以上の案件へ少額ずつ資金を分散させることで、徹底的なリスクヘッジを図っていました。

【出口戦略】FIRE達成者がソシャレンを縮小する本当の理由(国保・税金対策)

実は、私が今ソーシャルレンディング投資そのものを縮小している一番の理由は、今回のような倒産リスクだけではありません。FIRE達成者にとって死活問題となる、「社会保障費(国民健康保険料)」への影響です。

ソシャレンの分配金は、税務上「雑所得」として扱われます。FIREして給与収入がゼロになった状態でこの雑所得が積み上がると、国保の軽減措置(7割軽減など)の枠からあっさりと外れてしまい、保険料がドカンと跳ね上がってしまうのです。

そのため現在の私は、新規投資は一切行わず、償還されたお金をインデックス投資などへ順次振り分けている最中です。倒産リスクへの警戒はもちろんですが、FIRE民にとっては、税金や社会保険料のコントロールこそが、より本質的で重要な出口戦略だと感じています。

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さいごに

今回の内容を簡単に振り返ります。

  • 全東信の破綻は、少なくとも20年前からの粉飾決算という投資家への重大な裏切りだった
  • 私は不祥事をきっかけに撤退を決断し、長期間の資金拘束を経て、破綻のわずか1ヶ月前に間一髪で資金を回収できた
  • 防衛策は「赤字企業・担保過信の徹底排除」「不祥事での即ストップ」「少額×複数の徹底分散」
  • 現在はFIRE後の社会保障費コントロールのため、ソシャレンから投資信託などへ資金を移行中

ソーシャルレンディングは、資産形成期には手軽で優秀な投資手法である一方、基本的には「ハイリスク」な投資であることを決して忘れてはいけません。常に最悪の事態を想定し、自分の大切な資産を「守る」意識を持ち続けたいものです。

もし今、ソーシャルレンディングやクラウドファンディングに投資している方がいらっしゃれば、ぜひ一度、ご自身の投資先の企業名でニュース検索をしてみてください。

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