2025年12月9日、国際金融協会(IIF)が発表した最新レポートが発表されました。世界の債務総額が約346兆ドル(日本円にして約5京3600兆円)という、人類史上最悪の水準に達したとのことです。
参考:ロイター:世界の債務、過去最大の346兆ドルに拡大 先進国が主導=IIF
これは、国の借金だけでなく、企業や家計といった民間の借金をすべて合わせた数字です。
世界全体の経済規模(GDP)に対する比率は、実に約310%。私たちは今、稼ぐ力の3倍以上の借金を背負った世界で生きています。
今回はこのニュースの詳細と、私たちFIRE民(および予備軍)が資産を守るために取るべき行動を考えてみました。
レポートの詳細
IIFのレポートによると、現在の世界経済は以下のような危険なバランスの上に成り立っています。
過去最悪の債務水準
2025年第3四半期末時点で、世界の債務総額は345.7兆ドルに達しました。
対GDP比は約310%で、2022年半ば以降、高止まり(横ばい)が続いています。今回の急増には、米ドル安によって各国の「現地通貨建ての借金」をドル換算した際の額が膨らんだというテクニカルな要因もありますが、それを差し引いても借金の絶対額は増え続けているとのことです。
「先進国」こそが借金王
今回の増加を主導したのは、新興国ではなく先進国のようです。
- 2025年だけで17兆ドル以上の新規債務が発生。
- 特に米国、フランス、ドイツ、英国の4カ国が、借金増加のアクセルを踏み続けています。
高金利なのに借金が止まらない
そして恐ろしいのは、現在の世界が「高金利環境」にあるにもかかわらず、債務の累積が止まらない点です。利払い負担が激増している中でさらに借金を重ねているため、各国の財政健全性は限界に近づいています。
何が起きるかの予想。FIRE民を襲う3つの悪夢
この天文学的な借金がもたらす未来はある程度予想できるそうです。FIREした方(目指す方)が直面するリスクは以下の3つぐらいかと思います。
「インフレ」という名の税徴収
政府が5京円を真面目に返すことは不可能です。最も簡単な解決策は「お札を刷ってインフレを起こし、借金の実質価値を減らす」こと。
つまり、あなたの銀行預金の価値が強制的に削られる未来です。現金のまま持っていることは、資産を目減りさせているのと同じです。
円安と通貨の信認崩壊
ちなみに、借金の総額が大きいのは、1位アメリカ(約35兆ドル)、2位中国(約16兆ドル)となりますが、対GDP比で考えた場合の世界ワースト1は日本です。
世界全体が借金まみれとはいえ、日本の状況は突出して悪いです。借金まみれの通貨「円」だけを持っていることは、資産形成において不利になる可能性がありそうです。
増税の波
膨れ上がる利払いを賄うため、金融所得課税や富裕層への課税強化をする可能性があります。最近も「1億円の壁」問題への対応という形で少しづつ締め付けが厳しくなっており、FIREの生命線である「配当・売却益」が、国家の借金返済のために狙われています。
FIRE民が今すぐとるべき行動
では、この「借金5京円時代」に私たちはどう立ち回るべきなのか?
答えはいくつかあると思いますが、個人的には「適切な場所に資産を置く」ことかと思います。
「全世界株式(オルカン)」でリスクを中和する
日本だけに賭けるのも、借金総額No.1の米国だけに賭けるのもリスクがあります。
特定の国に依存せず、世界全体の経済成長を享受できる「全世界株式」をポートフォリオの核に据えるのがいいと思います。通貨分散こそが最強の防御です。
「ゴールド」をポートフォリオに加える
「政府が刷れないお金」であるゴールドは、法定通貨の価値が毀損する(インフレ税)局面で輝きます。
資産の5〜10%程度を金(または金ETF)で持つことは、借金バブル崩壊への保険となると思います。
増税に備えた「非課税枠」のフル活用
新NISAやiDeCoなどの非課税口座は、将来の増税リスクから資産を守る唯一の聖域です。
枠が余っているなら、優先的に埋めること。これが確実なリターンにつながります。
まとめ
5京円という数字は衝撃的ですが、資本主義は借金ありきで回るシステムです。
恐れて市場から退場するのではなく、「インフレに強い資産」を選んで荒波を乗りこえていきましょう。



コメント
このような議論の中でいつも抜けているのは資産がいくらあるかということですわね
日本は資産もおなじくらいあるので心配することはないと思います。
いいついさん、コメントありがとうございます!
確かにおっしゃる通りですね。「借金の総額」ばかりが強調されがちですが、日本には資産もしっかりあるという「バランスシート全体」を見る視点はすごく大事だと思います。
過度に不安になりすぎる必要はない、という点には私も共感です。
あとは、その資産の中に「道路や橋のようなすぐに現金化しにくいもの」や「為替介入のために保有しておくべき外貨準備金」も含まれているので、それらを今後どう上手くやりくりしていくか、という点がカギになりそうですね。
重要な視点を補足していただき、とても勉強になります!