「4%ルール」って本当なの?50代FIREおやじがトリニティ・スタディを読み返した話

FIRE基礎知識

こんばんは、モンチです。2025年11月に完全FIREを達成。本日も妻と二人で穏やかな日々を送っています。

最近、SNS、YouTube、他のブログを見ていると、「FIRE後の取り崩しは、必ずしも4%ルールにガチガチにこだわらなくてもいい。S&P500に全振りしていれば運用益は平均7%とれるのだから、もっと取り崩せる。目標額をそこまで高くする必要はない」 という意見を見かけました。

現在FIREしている身としては、今さら資産目標額を変えることはできませんが、「本当に4%にこだわらなくてもいいのか?」「そもそも4%ルールの根拠って何だっけ?」と気になってしまいました。

ある程度知っているつもりだが、本当に理解しているか自信がない「4%ルール」について、生みの親である「トリニティ・スタディ(Trinity Study)」の原著を、一度きちんと読み直してみることにしました。

今回は、50代のリアルなFIRE民として、私が論文を読んで理解できた結論と、「今の自分の状況は論文の正解と合っているのか?」 を〇×で答え合わせしてみた結果を記事にしました。

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SNSで見た「S&P500全力なら7%取り崩しでOK説」は本当か?

冒頭にも書いた、SNS・YouTube・他のブログでよく見かける「ある主張」についてです。

「S&P500などのインデックスに全力投資すれば、年平均7%以上のリターンが期待できる。だから、厳しい4%ルールに縛られなくても、毎年7%くらい取り崩しても資産は減らない。つまり、FIREの目標金額はもっと低くても大丈夫だ!」

こんな話、皆さんも一度は目にしたことがありませんか?

なんとなくトリニティ・スタディの知識があった私としては、この主張を見た瞬間、「うーん、それは半分当たりだけど、半分外れじゃないか?」 と直感的に思いました。

ただ、正直なところ「自分の認識が本当に正しいのか?」と聞かれると、少し自信がなかったのも事実です。そこで「良い機会だから、原著をもう一度しっかり読み直して答え合わせをしてみよう!」と思い立ったわけです。

実際に改めて論文のデータを隅々まで読み込んでみた結果、私の直感はおおむね正解でした。やはりこの主張は「半分当たっていて、半分間違っている」 ようです。

「半分当たっている」理由

実は、「7%取り崩しても大丈夫」という主張自体は、あながち嘘ではありません。論文のデータを見ると、「インフレ(物価上昇)を考慮しない場合」、株式を50%以上持っていれば過去のデータでも85〜91%という高い確率でお金が持ちこたえています。さらに、大恐慌などの最悪期を除外した「戦後」のデータに限れば、7%取り崩しの成功率はなんと100%という結果すら出ています。「歴史的な大暴落さえ来なければ、4%より高くても全然いけるじゃん!」という根拠は確かにあるようです。

「半分間違っている」理由

しかし、完全に見落としている落とし穴が一つあります。それが「インフレ」です。現実世界では物の値段は上がります。購買力を維持するために引き出し額をインフレ率に合わせて増やすと、同じ「7%スタート」でも成功率は91%から一気に49%以下へと激減してしまうのです。コインの裏表を当てるような1/2の確率に老後をかけるのは、割の合わない勝負だと思います。

論文の中にもありましたが、1970年代のように物価は上がるのに株価は低迷するという「ダブルパンチ」の時代が来ると、7%という強気な引き出しでは破綻してしまうようです。

 トリニティ・スタディ原著から読み解く「4%ルール」4つの結論

今回、トリニティ・スタディの原文というのは、ご存じのように1988年に発表されたものと、2011年に追加考察として書かれた2つがあります。

  • Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable(1998年)
  • Portfolio Success Rates: Where to Draw the Line(2011年)

論文の中にはいろいろな検証データが書かれており非常に参考にはなるのでが、全部を掲載すると大変なことになってしまします。そのため、今回は、私個人が思う結論となりそうな部分を「4つ」にまとめてみました。

  • 結論①:寿命までの期間は長めに見積もり、取り崩し率は「4〜5%以内」にする
    若くてFIREを目指す人は、寿命までの期間のブレに慎重に備える必要があります。平均余命までで取り崩しを計画した場合、それ以上に長生きする確率は50%あるわけです。インフレ下で購買力を維持しようとするなら、初期の引き出し率は「4〜5%程度」に抑えるのが現実的な上限となる。
  • 結論②:株式の比率は「最低でも50%以上」を維持する
    債券を加えれば安定性は高まりますが、長期的なインフレには勝てません。引退後であっても、資産の成長エンジンとして「株式50%以上」を長期的に維持することが、資産長寿化の絶対条件。
  • 結論③:保守的になりすぎない
    失敗を恐れて極端に節約すると、亡くなるときに何千万円も残ってしまうという罠に陥ります。論文では、3〜4%の取り崩しは「非常に保守的」とされており、「4回中3回成功する水準(成功率75%)」を論理のスタート地点として、適正にお金を使うべきだと説いています。
  • 結論④:計画は途中で柔軟に見直すこと
    毎年4%など、あらかじめ決めた金額を機械的に引き出すのではなく、市場が暴落した時は「配当や利息の範囲内で生活し、株を安値で売らない」という柔軟な見直しこそが最大の防御になります。計画はあくまで「航海のための地図」であり、絶対に守るべき「契約」ではない。

つまり、先ほどのSNSの説に戻ると、「7%は危険だが、柔軟に見直すことができるなら4%を超える取り崩しも決して間違いではない」というのが現実的な答えになりそうです。

【〇×判定】論文の結論 vs 50代FIREおやじの現在地

さて、論文の結論は頭で理解できました。

「で、お前自身はどうなんだ?」という声が聞こえてきそうなので、私が読み込んだ論文の結論と、リアルな現状を照らし合わせて自己採点してみました。

トリニティ・スタディの結論私の現状(自己採点)
① 引退期間は長めに見積る【〇】
妻と一緒に「100歳まで」という超長生き前提のライフプランを作っています。実際の取り崩し率も2%程度で収まっており、枯渇リスクへの備えは万全です。
② 株式の比率は「最低でも50%以上」を維持【×(猛省…)】
現在のポートフォリオは「現金1/3、債券1/3、リスク資産1/3」。リスク資産の中の一部が株なので、株式比率は50%を大きく下回っています。完全に守りに入りすぎ。
③ 保守的になりすぎない【×(痛い指摘)】
現在の「取り崩し2%」は安全ですが、論文から見れば「保守的すぎ(使わなさすぎ)」に該当します。このままだと亡くなるときに莫大なお金が残る「機会損失」になってしまいます。②のポートフォリオの見直しと合わせて、再検討する必要がありそうです。
④ 計画は途中で柔軟に見直すこと【〇】
「毎年〇%固定で引き出す」といった機械的なルールには縛られず、毎年ライフプランを見直して柔軟に対応しているので、論文の推奨通り大正解です。

守りに入りすぎたおじさんの反省

こうして自己採点してみると、全然4%ルールに沿っていないようで苦笑いしてしまいました。

100歳までの長寿リスクへの備えや、毎年の柔軟なライフプラン見直しなど、行動面ではしっかり論文の「正解」を実践できていました。しかし、「株式比率の不足(②)」と「保守的すぎる取り崩し(③)」の2つが【×】 でした。

妻が投資反対派だったり、私自身も元の社会人には戻れないという不安があったりするためか、無意識のうちに現預金や債券に寄せすぎ(全体の2/3が安全資産)、お金を使うことにもビビって「取り崩し2%」という極端な安全策に走っているようです。

あらためて論文の著者から「そんなに保守的だとインフレの餌食になるぞ!」 と指摘されている気分になりました。

妻から投資NGといわれている「3つのバケツ」のうちの「短期のバケツ(現金)」以外については、一度作戦を見直して、本当にインフレに勝てるのかを確認していく必要がありそうです。

トリニティ・スタディ要約PDFはいります?

今回、トリニティ・スタディの原文や更新版の論文を確認するにあたり、翻訳や意味の補足などをAIの手を借りました。最近のAIは非常に優秀で、ソースのある内容をまとめさせると、非常に質の高いものができます。

そのまま埋もれさせるのももったいないので、次のブログ記事のネタにしようかとは思っていますが、すぐに着手するわけではありません。

ニーズがあるかどうかわかりませんが、このPDFを見たいという方はいらっしゃいますか?
※原文通りではない可能性があることだけはご注意を

▼ダウンロードはこちら▼

TrinityStudySummary.pdf (287 ダウンロード )

さいごに

鉄板ネタのトリニティ・スタディを再確認してみると、いろいろと気づきがありました。

長きにわたる老後生活。見えないリスクに怯えるのではなく、先人たちの知恵を持ち、一緒に豊かなFIREライフを楽しんでいきましょう!

PS
もしこのPDFや記事が少しでも参考になったら、「ダウンロードしました!」「自分は今〇〇%くらい株式です」など、一言でもコメント欄に残していただけると、ブログを続ける大きなモチベーションになります!

コメント

  1. 匿名 より:

    PDF提供ありがとうございます。
    さっそくNotebookLMに貼り付けて中身確認させていただきました。
    適応的アプローチは私の考えと全く同じと感じました。

    • モンチ モンチ より:

      PDFをご活用いただき、ありがとうございます。
      NotebookLMで詳しく見ていただけて光栄です。

      このように報告をいただけることは、私のモチベーションにつながります!!

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