片働きはFIRE絶望的?片働き・共働き・単身を公的データで試算

公的データで検証!共働きFIREのロードマップ FIRE準備・実行

 著者:モンチ(投資歴26年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)

「日本におけるFIREの現在地はどこにあるのだろう」
最近、投資やリタイアに関するニュースを見ながら、そんなことを考える機会が増えました。

ちまたで語られるFIRE達成者のストーリーは、大企業などの高属性であったり、起業して大きな財を成した一部の人たちの話になりがちです。そのため、「平均的なサラリーマンの給料では無理ではないか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、国税庁や総務省が公表している客観的なデータを用いて、「日本の平均的な収入と生活費」からリアルな貯蓄率を試算してみます。

片働き世帯は正直かなり厳しい数字が出ますが、単身世帯や、配偶者も働く共働き世帯であれば、十分にFIREが狙える圏内に入ってきます。

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日本の平均年収と生活費から算出!世帯別のリアルな「貯蓄率」

「貯蓄率」とは、手取り月収のうち、毎月どれだけを貯蓄・投資に回せているかの割合です。

貯蓄率=毎月の貯蓄額 ÷ 手取り月収

実はFIREまでの年数、この貯蓄率でほぼ決まります。

今回の試算は、平均的な収入と平均的な生活費が前提です。もやし生活のような極端な節約は想定していません。「普通の暮らしをしたまま、どれだけ貯められるか」を見ていきます。

日本の平均給与は478万円(正規雇用:545万円、非正規雇用:206万円)です。この数字だけを見ると、「FIREなんて夢のまた夢。生活費を極限まで削る惨めな節約生活をしないと無理なのでは?」と思うかもしれません。

しかし、世帯の構造を少し工夫するだけで、FIRE達成の鍵となる「高い貯蓄率(20%〜50%)」を叩き出すことは十分に可能です。

まずは以下の表を見てください。国税庁と総務省のデータに基づき、平均的な手取り額と平均的な生活費(消費支出)から「世帯別の貯蓄率」を試算したものです。

パターン月間手取り合計平均生活費月間貯蓄額貯蓄率
① 単身世帯(1人)
(手取り35.4万円)
354,250円173,042円+181,208円51.2%
② 2人以上・片働き
(世帯主の手取り35.4万円)
354,250円346,297円+7,953円2.2%
③ 2人以上・共働き
(世帯主+パート月8万円)
434,250円346,297円+87,953円20.3%
④ 2人以上・共働き
(世帯主+非正規の平均 月13.7万円)
491,583円346,297円+145,286円29.6%

どうでしょうか。片働きの限界と共働きのインパクトが一目で伝わると思います。

実は私も現役時代、日々の生活で無理な節約をしていたわけではありません。会社の財形貯蓄で月に2万円程度を天引きし、残りの給料はほぼ使い切り、「月末に余ったら投資に回す」というかなりゆるい管理でした。
しかし、夏と冬に合わせて5ヶ月分支給されるボーナスだけは、手に入った瞬間に全額を証券口座へ移して投資に回すというルールを徹底していました。これにより、結果的に「5ヶ月÷17ヶ月=約29.4%」という約30%の貯蓄率を28年間継続できたのです。
平均給与でも、仕組みさえ作れば高い貯蓄率は維持できる。これは私自身の実体験に基づく事実です。

ちなみに④の29.6%は、私が28年続けた貯蓄率30%とほぼ同じ水準ですね。

試算の前提:国税庁・総務省のデータに基づく手取り月収と生活費

上記の表の前提条件を少し解説しておきます。

  • 世帯主の手取り月収
    国税庁「民間給与実態統計調査」(令和6年分)で、正社員(正規)の平均給与は545万円です。ここから約22%(社会保険料が約15%、税金が約7%)が引かれるとして、手取りは年約425万円、月約35.4万円で計算しました。
  • 配偶者の収入
    同調査の「非正規」の平均給与は206万円です。手取りは月約13.7万円としています。③のパート収入についてはこちらで想定した数字です。
  • 生活費
    総務省「家計調査」(2025年平均)の消費支出です。単身世帯は月約17.3万円、二人以上の勤労者世帯は約34.6万円です。

※出典:国税庁「民間給与実態統計調査」(令和6年分)、総務省統計局「家計調査 家計の概要(2025年平均)」

単身世帯の貯蓄率は驚異の51%!独身FIREが現実的な理由

注目すべきは、単身世帯の圧倒的な強さです。
手取り35.4万円から平均生活費17.3万円を引くと、毎月約18.1万円が残ります。貯蓄率は51.2%と、半分を超えます。(ただし、高齢者を含む平均のため現役世代ではもう少し生活費が増える可能性があります)。

ちなみに、この平均生活費の中には、持ち家層も含めた平均の住居費(約2.2万円)が計上されています。もし実家暮らしであったり、会社の借り上げ社宅などで家賃をさらに安く抑えられたりすれば、単身世帯なら更なる上積みも狙えます。独身であれば、固定費のコントロールは自分の意志ひとつで容易に行えます。

片働きは厳しい?共働きの加算で貯蓄率30%へ激変する理由

一方で、2人以上世帯の片働きモデル(②)を見ると、現実は非常にシビアです。
手取り35.4万円に対して生活費が34.6万円。月間の貯蓄額はわずか8,000円ほどで、貯蓄率は2.2%です。突発的な出費があればすぐに赤字に転落してしまいます。

しかし、ここに配偶者の収入が加わると景色が一変します。配偶者が年収206万円で働くことの激変効果は凄まじく、世帯手取りは月額49.2万円に跳ね上がります。生活費は同じ34.6万円のままでも、月間14.5万円の貯蓄ができ、貯蓄率は29.6%まで引き上がります。
平均的な収入であっても、「世帯単位」で戦略を立てれば、FIREへの扉は確実に開かれます。

貯蓄率から逆算!平均年収でFIREを達成するまでの年数

FIREを目指す上で、最も重要な真理があります。それは、FIRE達成までにかかる年数は「年収の多さ」ではなく「貯蓄率」で決まるということです。

貯蓄率が高い状態とは、「投資に回せる資金(入金力)が多い」ことと、「リタイア後に必要な生活費が少ない」ことの掛け合わせを意味します。だからこそ、平均所得であっても高い貯蓄率さえ確保できれば、高年収で浪費家の人よりも早くFIREのゴールに到達できるのです。

では、先ほど算出した貯蓄率を維持した場合、実際に何年でFIREできるのでしょうか。
以下の条件で仮定して計算してみます。

  • 必要資産は、年間生活費の25倍(毎年4%ずつ取り崩す「4%ルール」の考え方)
  • 運用は実質リターン4%(税金・コスト・インフレを織り込んだ堅実な数字)
  • 毎月の貯蓄額は一定(給与の伸びは見込まない)
パターン貯蓄率完全FIREまでの年数
① 単身世帯51.2%約17年
② 片働き2.2%約97年
③ 共働き(パート加算)20.3%約41年
④ 共働き(非正規の平均加算)29.6%約31年

貯蓄率と投資リターンから導く詳細な達成年数表は、以下の記事で詳しく解説しています。

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単身世帯(貯蓄率51%):約17年で40代での「完全FIRE」が射程圏内

高い貯蓄率を誇る単身世帯(貯蓄率51.2%)の場合、ゼロスタートでも約17年です。25歳で始めれば42歳前後、30歳からでも47歳前後。

つまり、20代半ばからこのペースで資産形成を始めたとすれば、40代半ばから後半には労働から完全に解放される計算です。独身であれば、40代での完全FIREは決して夢物語ではありません。

共働き世帯(貯蓄率30%):完全FIREには約31年。「サイドFIRE」へのシフトが現実解

一方、貯蓄率29.6%の共働き世帯の場合、完全FIREまで約31年かかります。25歳で始めても56歳。「それじゃあ、リタイアする頃にはもう定年近くの老後じゃないか」と落胆されるかもしれません。

しかし、ゼロからの完全リタイアだけをFIREと定義するから無理が出るのです。

以前、FIREコミュニティのオフ会に参加した際、考え方を少し改めさせられました。
そこで出会ったサイドFIREをしているメンバーたちは、資産収入をベースにしつつ、自分のペースで好きな仕事をしていました。適度な労働と社会との繋がりを持っている彼らの幸福度は、驚くほど高かったのです。

資産2,000万〜3,000万円を築いた段階で、フルタイムの激務から降りて「ゆるい労働」へ移行する。共働きなら10〜20年で十分に達成可能です。配偶者の社会保険制度なども活用しながら、世帯全体でリスクを分散する「日本型・守りのFIRE」こそが、多くの方にとっての現実解だと私は思います。

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まとめ:日本型・守りのFIREの設計図

今回は、公的データに基づき、日本における現実的なFIREへのロードマップについて解説しました。

  • 日本の平均給与でも、単身世帯(貯蓄率51.2%)なら40代での完全FIREが射程圏内。
  • 片働き世帯は貯蓄率的に厳しいが、配偶者の非正規労働(年収206万円)を加えるだけで貯蓄率29.6%へと激変する。
  • FIREにかかる年数は年収ではなく「貯蓄率」で決まる。
  • 共働き世帯は、資産3,000万円前後からの「サイドFIRE」を目標にすると、10〜20年で達成可能な現実的なプランになる。

「平均年収だからFIREなんて無理だ」と諦める前に、まずはご自身のご家庭の現在の貯蓄率を計算し、現実的な着地点を探ってみてはいかがでしょうか。

PS
さて、記事を読んでくださった皆さんに質問です。現在のご家庭の「貯蓄率」は、だいたい何パーセントくらいですか? また、今の生活費の中で「ここはこれ以上削れない」と感じる固定費は何でしょうか?ぜひ、コメント欄で皆さんのリアルな現状や工夫を教えてください!


【簡単アンケート第10弾】

皆さん、FIREしたことを誰に伝えましたか? もしくは伝える予定ですか?
ぜひ、あなたのリアルな立ち回りをぜひ教えてください!


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モンチ

モンチ 元サラリーマン投資家
💰 資産2億でFIRE達成
📈 投資歴25年

インデックス投資で資産を作り、現在は「社債」で守りを固めています。

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