「働いてない人は怠け者?」資産2億円で大企業を辞めた54歳が直面した“無職の世間体”の乗り越え方

FIRE民の社会貢献と自由 マインド

 著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)

ネットやSNSを眺めていると、たまにこんな意見を目にすることがあります。

「無職の人は、社会の役に立っていないお荷物なのではないか?」
「健康なのに働かないなんて、国民の義務を果たしていない」

28年間勤め上げた大企業を退職し、総資産2億円超で完全FIRE生活を送っている私も、世間の枠組みから見れば立派な「無職」です。平日の真っ昼間、スーツ姿のビジネスパーソンや忙しそうに走る営業車を横目に、ラフな格好でのんびり散歩をしていると、ふと「世間からどう思われているのだろう」という、なんとも言えない感覚が湧いてくることがあります。

この記事の結論を、最初にお伝えします。

FIRE達成者は、決して「怠け者」でも「社会のお荷物」でもありません。

私たちは過去の労働の蓄積と、現在の経済システムを通じて、しっかりと社会の屋台骨を支えています。今回は、そんなFIRE民の「見えない貢献」について記事にまとめました。

「働かない罪悪感」に悩むFIRE達成者の方や、FIRE目前の予備軍の皆さんが、胸を張って自由な時間を楽しめるようになるためのヒントになれば幸いです。

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小学生の「働いていない=怠け者?」という質問。FIRE後の“無職の罪悪感”

先日、私が参加しているオンラインコミュニティのYouTube動画企画(FIRE研究所)で、小学生の女の子から核心を突くような直球の質問が投げかけられました。

「働いていない人は怠け者なんですか?」

動画に出演されていた方々は、とても優しく本質を突いた回答をされていました。しかし画面のこちら側で視聴していた私は、この「怠け者」という言葉に思わずギクッとしてしまいました。大企業を辞めてFIRE生活に入ってから、ときどき頭をよぎっていたモヤモヤを、小学生の子に見事に言語化されてしまったような気がしたからです。

日本では長らく、「会社に所属して、満員電車に揺られ、我慢の対価として給料をもらうこと」だけが労働であり、美徳だと定義されてきた社会背景があります。だからこそ、世間一般の目から見て、特に純粋な子供の視点では「会社に行っていない=怠け者」と映るのは、ごく自然なことです。

「動画に出ているような人たちは特別な存在だから、堂々としていられるのでは?」と思われるかもしれません。しかし私のようなごく一般的なFIRE民も、多かれ少なかれ同じような葛藤や「働かない罪悪感」を、心のどこかで抱えているものです。

▼該当YouTube動画
子供視線での核心をついた質問がとても参考になります!

FIRE民は「勤労の義務」違反のお荷物?税金から見る社会貢献

「労働市場から降りた自分は、国民の義務を果たしていないのに、権利にタダ乗りする人なのか?」

そんなモヤモヤを解消するため、少し深掘りしてみました。

まず、日本国憲法が定める「勤労の義務」は、決して「死ぬまで会社員として働き続けなければならない」という意味ではないようです。法的な解釈としては、生活保護などの公助に頼るのではなく、「自分の力で生活の糧を得て、自立して生きなさい(自助の原則)」という宣言に近いとのことです。その点において、自らの資産で生活を賄っているFIRE層は、しっかりと自立の責任を果たしていると言えると思います。

さらに、「税金」という観点から社会貢献度を考えてみました。今後の私の生活費は、投資信託等の取り崩しや配当金で賄っていきますが、その利益には約20%の税金がしっかりと課されていきます。

また、FIREを目指して大企業でバリバリ働いていた現役時代は、サラリーマンの平均年収の倍ほどの収入がありました。しかし税負担は2倍どころか、およそ3.5倍にもなります。累進課税の構造上、高収入であるほど税負担の割合も跳ね上がるからです。平均的な給与所得者と比較しても、社会インフラの維持に対して相応の貢献をしてきたという自負があります。

つまり、たくさんの税金を納めてきた結果として築いた資産で、さらにその「資本」が生み出した利益にも税金を納め、社会インフラを強力に支え続けているのです。決して社会のお荷物などではありません。

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今の自由は「28年間の労働」の対価。世間体を手放し自己受容する勇気

動画の中で、質問への答えとして「過去にものすごく頑張ったから、今働かなくても良くなっている人」という言葉がありました。この言葉には、深く納得しました。

大企業でプレッシャーに耐え、理不尽な人間関係やクレームに頭を下げながら、愚直に働き続けた28年間。その長きにわたる労働と、生活レベルを上げずにコツコツと続けた資産形成の積み重ねがあったからこそ、今の「働かなくてもいい時間」が存在します。

今の私の自由は、宝くじのように運よく手に入れたものではありません。「過去の自分が、今の私の自由を買い取ってくれた」—その正当な対価です。いわば、過去の労働を前払いし、今それを受け取っている状態と言えます。

とはいえ、いざ会社を辞めて社会的な肩書きを失い、「ただの無職のおじさん」になることには、一時期抵抗感がありました。以前書いた記事「【FIRE心理学】資産は十分なのに退職できない理由」でもお伝えしましたが、この「無職のおじさん」という等身大の自分を受け入れることこそが、FIREの最大の壁だったともいます。

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会社員=働く、からの卒業。54歳FIRE達成者の「名もなき仕事」とやりがい

給与をもらうための「労働」からは卒業しましたが、だからといって毎日ただ寝転がっているわけではありません。むしろ、人生の「活動」としての密度は現役時代よりも充実しています。

現在の私は、このブログを通じて後に続くFIRE予備軍の参考になる情報を発信する活動をメインにしつつ、有り余る時間を活かして、参加しているオンラインコミュニティの公式Xの運用担当などもやらせてもらっています。誰かから強制されるわけでもなく、お金を稼ぐためでもない。先ほどの動画で語られていた「遊びと仕事の境界線がない状態」を、今まさに体現していると感じています。

損得勘定抜きで、自分がやりたいと思えることで誰かの役に立つ。これこそが、私が思い描いていたFIRE後の理想の活動でした。

以下の記事でも触れましたが、ブログやコミュニティ活動を通じて得られる「社会との弱い繋がり」や、誰かに喜んでもらえる「ささやかな承認」は、FIRE後のメンタルを安定させる上で必要不可欠な要素です。お金にならない「名もなき仕事」の中にこそ、人生を豊かにするエッセンスが詰まっています。

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まとめ:FIRE民は怠け者ではない!世間の目に縛られず「自由」を楽しもう

今回の記事のポイントをまとめます。

  • 憲法上の自立(自助)を満たし、納税額の面でもFIRE民は社会に大きく貢献している。
  • 今の自由な時間は、28年間の過去の自分が血の滲むような努力で買い取ってくれた正当な対価である。
  • 給与をもらう労働からは卒業し、損得勘定抜きの「名もなき活動」を楽しもう。

もしあなたが、平日の昼間に散歩をしていて「働いていない罪悪感」に襲われたら、ぜひこの記事を思い出してください。世間の「働いていない=怠け者」という呪縛はさっさと捨て去りましょう。私たちは十分すぎるほど義務を果たし、自由を受け取る権利を持っていると思います。

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