FIRE民は年金「繰り上げ」が多数派?それでもFIRE達成おやじが70歳繰り下げを選ぶ「障害年金」のリスク

年金繰り下げの真実!FIREおやじの出口戦略 FIRE後の生活

 著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)

先日の記事(4月24日)「【手取りの損益分岐点】年金「繰り上げ」が最強?私が70歳繰り下げを選ぶ理由」にて、私が年金を70歳まで繰り下げる理由を書きました。

▼参考記事

その際、「私が所属しているコミュニティ『FIRE研究所』でもこの話題が白熱しているので、今度座談会をやる」とも触れていました。そしてその後、実際にコミュニティ内でアンケートが実施され、さらには有志によるYouTubeでの対談まで実現し、想像以上の盛り上がりを見せました。

結論から言うと、コミュニティーの中でも「繰り上げ(早くもらう)」が多数派でした。しかし、対談や実際のアンケート回答を見ていくと、数字の損得だけでない、色々なリスクに気付くことができました。

本記事では、このブログ読者とコミュニティ内のアンケート結果の比較。さらに、対談で明かされた「障害年金」の生々しい現実と、それを踏まえた私の結論をお届けします。

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【アンケート比較】FIRE民の年金受給は「繰り上げ」が多数派?読者層で分かれた明確な違い

年金をいつからもらうか——全体としては「繰り上げ受給」を支持する声が多いのですが、私のブログ読者とオンラインコミュニティのメンバーでは、結果に明確な違いが出ました。

先日、ブログ読者の皆さんに向けて実施したアンケート「【独自調査】年金受給開始は何歳から?FIRE民81人が選んだ「繰り上げ・繰り下げ」のリアルな割合(4月29日の記事)」では、81名の方からご回答をいただき、以下の結果となりました。

  • 繰り上げ受給(60〜64歳):33.3%
  • 65歳通常受給:42.0%(最多)
  • 繰り下げ受給(66歳〜):24.7%

一方、オンラインコミュニティで実施されたアンケートでは、「繰り上げ派」が半数以上を占める結果となりました。

  • 繰り上げ受給(60〜64歳):56%(最多)
  • 65歳通常受給:20%
  • 繰り下げ受給(66〜75歳):20%

両グループでこれほど差が生まれた理由を特定するのは難しいですが、おそらく両グループが目指す「FIREのスタイル」の差が影響していると考えています。

過去のアンケート傾向からも、このブログ読者は比較的潤沢な資産を背景にしたFAT FIRE(余裕のある完全リタイア)志向が高い傾向にあります。対してオンラインコミュニティには、サイドFIRE実践者や「最悪、資金がショートしたらまた少し働けばいい」という、柔軟でたくましいスタイルの方が多く在籍しています。

実際、オンラインコミュニティ内で対談した自給自足FIRE実践者のメンバーは、「体力がある60代のうちにレジャーなどで贅沢に使い切るために、年金は早くもらってお小遣いにする」と語っていました。資産収入で基本の生活費をまかない、年金は「元気なうちに楽しむための上乗せ」と割り切る——こうしたポジティブな層が、コミュニティ内での「繰り上げ多数派」を形成しているようです。

▼参考記事(ブログ読者の傾向:FAT FIRE志向が多い / 年金受給年齢)

年金「繰り上げ受給」の最大のデメリット?見落としがちな「障害年金が請求できない」リスク

「手取りが最大化するから」「非課税世帯を維持できるから」。 ネット上の年金議論は、どうしてもこうした「数字」に終始しがちです。しかし、年金受給を前倒しする「繰り上げ」した時に見逃しがちな大きなデメリットが一つあります。

それは、60代以降に大病を患ったり障害を負ったりした際、「障害年金」が請求できなくなるリスクです。
※繰り上げ請求をした後は、事後重症などによる障害基礎年金を請求できなくなります
 参考:日本年金機構:年金の繰上げ受給

今回のオンラインコミュニティ内で対談した人の中に、医療現場で看取りなどにも深く関わっている医療関係者のメンバーが参加していました。その方から、非常に重みのある実体験が語られたのです。

「年を取って重い病気になった患者さんがいた。その方が障害年金をもらえた時、本当に助かったと喜んでいて、まさに『地獄に仏』のような制度だと思った」

このエピソードを聞いた時、私はハッとさせられました。

繰り上げ受給を選ぶと障害年金を受け取れなくなること自体は、知識として知っていました。しかし、「税金が〜」「損益分岐点が〜」と数字だけの世界で考え続けてきた私にとって、生々しい経験談を耳にした瞬間——まるで「現実世界」へと一気に引き戻されるような感覚に陥りました。

私たち50代、そして60代以降は、重大な健康リスクが跳ね上がる年代です。いざという時のセーフティネットを自ら捨ててしまうリスクは、決して小さくないと考えを改めました。

【結論】私が70歳「繰り下げ受給」を貫く理由:「長生き」と「障害」に備える最強の掛け捨て保険

コミュニティでの多様な意見、そして医療現場のリアルな声——。これらすべての議論を踏まえた上で、私の結論はどうなったか。

やはり、当初の予定通り「70歳までの繰り下げ(少数派)」を選択します。

私は本来、ライフプランソフトで100歳までのシミュレーションを何度も回すような、ロジックと数字が大好きな人間です。前回の記事に書いた通り、iDeCoの「退職所得控除枠」を70歳まで育てて税金面の手取りを最大化するなど、ロジカルな防衛策を何度も考えてきました。

私にとっての年金は、次の2つの意味を持つ最強の掛け捨て保険です。

  1. 長生きリスクへの保険 ── 100歳まで生きてしまった時のセーフティネット
  2. 障害リスクへの保険 ── 万が一の大病に備える備え(65歳までは権利を保持)

繰り下げによる年金額のベースアップを確定させながら、65歳までは障害年金の権利も手放さない。

守りを最優先する私にとっては、これが結論となりました。

まとめ|年金の繰り上げ・繰り下げに正解はない。大切なのは「心の余裕」

今回のオンラインコミュニティでの白熱した議論を通じて、改めて気づかされたことがあります。

それは、私たちFIRE達成者の最大の強みは「年金がなくても今すぐ生活が破綻するわけではない、という心の余裕」だということです

だからこそ、「今を楽しむためのボーナス」として繰り上げ受給を選んでもいいし、私のように「絶対的な安心のための保険」として繰り下げを選んでもいい。そこに他人が決める正解はなく、ご自身の人生観の中にこそ答えがあると思いました。

私にとっての「解」は70歳繰り下げでしたが、それはあくまで私の人生観から導いた一つの答えに過ぎません。


【関連リンク】
今回の白熱した議論の全容は、以下の動画や記事で詳しくご覧いただけます。様々な価値観に触れることで、ご自身の老後戦略がより明確になるはずです。

  • ▼FIRE研究所のまとめ記事(note)
  • ▼FIRE研究所メンバーによるYouTube対談動画

コメント

  1. 匿名 より:

    iDeCo知ってます?

    • モンチ モンチ より:

      推測するにおそらく、
      「国民年金を払い終わっている60歳以上の人はiDeCoの拠出が終わるはずなのに、70歳まで待つだけで控除枠が育つと勘違いしている」
      という指摘でしょうか?
      旧ルールであればまさにその通りで、鋭い指摘だと思います。

      ただ、2026年12月1日からiDeCoの制度が改正され、新たに「第5号加入者」という区分が新設されます。
      これにより、60歳を超え国民年金を払ってない人でも、70歳未満までiDeCoの拠出を継続できるようになります。

      そしてポイントはここで、この第5号加入者として拠出を続けるための条件が「老齢基礎年金を受給していないこと」なんです。
      つまり私が年金を70歳まで繰り下げるのは、iDeCoへの拠出資格を70歳まで維持するための必須条件でもあります。
      年金の繰り下げとiDeCoが完全に連動した戦略です。

      制度改正の内容を以下の記事に書いてますので、ぜひ参考に読んでいってください。
      https://monchi-blog.jp/ideco-2026-extension/

  2. ヨッシー より:

    記事更新お疲れ様!
    コメント欄で「iDeCo知ってます?」とドヤ顔でコメントしてる人、
    見事な特大ブーメランになってて思わず笑っちゃいました。

    モンチさんの先を見据えた完璧な出口戦略、すごく参考になりました!
    こんな頓珍漢な煽りはスルーしたほうがいいですよ

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