著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)
連休が明けた朝、布団から出られないほど気持ちが重くなったことはありませんか。「また今日からあの日常か…」と、胃のあたりがズーンと重くなる感覚。長年真面目に働いてきた50代の方ほど、この感覚は強いのではないでしょうか。
実は私も大企業で28年間サラリーマンをしていましたが、現役時代で一番つらかったのは、間違いなく長期休みの後の出勤日でした。休み前にきっちりと仕事を片付けて万全の体制を整えていても、朝から社内メールを開くことを考えるだけで気分が鉛のように重く沈んだものです。もし休み前に仕事が残っていたような場合は、朝から吐き気がするほどでした。
この記事では、「仕事に行きたくない」という感情がなぜ起こるのかという心と脳の仕組みと、その感情を無理に消すのではなく「FIREへの原動力」として使い切るための、現実的な資産形成のアクションを2つお伝えします。
結論から言えば、その気持ちは甘えではありません。まずは重い体を引きずって出社したご自身を、しっかり褒めてあげてください。
連休明けの「会社行きたくない」は甘えではない!心と脳が悲鳴を上げる理由
まず声を大にして言いたいのは、「行きたくない」と感じるのは、あなたの心が弱いからでも、怠け者だからでもないということです。それは脳と体の、ごく自然な反応なのです。
連休明けの憂鬱は「社会的時差ぼけ」と「自己決定権の喪失」
連休中は、何時に起きて何をするか、すべて自分で決められます。心理学の「自己決定理論」では、自分の行動や時間をコントロールできていると感じるときに人は幸福を感じ、逆に他人にコントロールされるときに強いストレスを感じるとされています。
※参考:Wikipedia|自己決定理論
連休明けに会社へ行くというのは、この「自己決定権」を手放し、再び他人の時間割の中に戻ること。海外旅行の後の時差ぼけならぬ、「社会的時差ぼけ」が、あの胃が締め付けられるような憂鬱感を生み出しているわけです。
さらに「ツァイガルニク効果」という心理現象もあります。人間の脳は、完了したタスクよりも「やりかけの未完了タスク」のほうを強く記憶し、そこにメモリを消費し続けるという現象です。「あの会議の準備が終わっていない」「あの案件の返信をしていない」——連休中もどこか心が休まらないのは、脳が勝手に未完了の仕事を反芻しているからなんですね。
※参考:Wikipedia|ツァイガルニク効果
サザエさん症候群で「超鬱」だった私の連休最終日
偉そうに解説していますが、私も現役時代はひどいものでした。長期休み最終日が近づくにつれて心に暗雲が立ち込め、最終日はあえて家に引きこもって誰とも会わないようにしていたほどです。
それでも憂鬱は晴れません。「明日からまたあの満員電車か」「会議の準備が終わってない」と考え出すと、夜中まで目が冴えて眠れない。そして連休明け当日は、寝不足でフラフラの「超鬱」状態。鉛のように重い体を引きずって出社していました。
これはもう、気合いでどうにかなるものではありません。仕組みの問題なのです。
▼関連記事:休み明けの絶望的な憂鬱感のメカニズムや、連休明け最初の1週間は「流し期間」と割り切るといった具体的なメンタル防衛術については、こちらの記事で詳しく解説しています。
「会社を辞めたい」感情は、50代からFIREを目指す最強の原動力になる
ここからが本題です。この「辞めたい」という切実な思い、私は押し殺さなくていいと思っています。むしろ、新しい生き方を切り開くための強力なエネルギーに転換してほしいのです。
統計データが証明!47.2歳が人生の幸福度の「底」である
実は、40代〜50代というのは、統計的にも人生で最も幸福度が低くなる時期です。アメリカのダートマス大学のブランチフラワー教授らの研究によると、人生の幸福度は「U字カーブ」を描き、その底が約47.2歳とされています。仕事の責任は重く、体力は落ち、親の介護や子の教育、老後の不安が一気にのしかかる。今のあなたのしんどさは、データで裏付けられた「みんなが通る谷」でもあるのです。
※参考:Is Happiness U-shaped Everywhere? Age and Subjective Well-being in 132 Countries
裏を返せば、50代前半はその底からゆっくり抜け出し始める時期でもあります。ここで「どう抜け出すか」を考え始めることには、大きな意味があります。
▼関連記事:この「幸福度のU字カーブ」について、経済学のデータを用いてさらに詳しく解説した記事はこちらです。
50歳で手に入れた「いつでも辞められる権利」と無敵感
私が長年のストレスから解放され始めたのは、50歳になった時でした。
私の勤めていた会社には、「50歳以降の自主退職であれば退職金が満額支給される」というルールがありました。50歳を迎えてその条件をクリアした瞬間、私の中で何かが弾けました。
「あ、いつでも辞められる条件が整った」
「最悪、辞めてもなんとかなる」
この「逃げ道」が確信に変わったことで、会社に対する恐怖心や強制感がすーっと消え、心に余裕が生まれました。
ただ正直に言えば、それでも会社に行くのは辛かったです(笑)。心底「仕事に行きたくない病」から解放されたのは、会社に退職する意思を伝えてから実際に退職するまでの「最後の6か月間」でした。
「退職すると決断できる(=辞める権利を持っている)」ことこそが、サラリーマンを苦しみから解放する唯一の鍵なのだと痛感しました。
▼関連記事:「いつでも辞められる権利」を手にしたことで、日曜夜のサザエさん症候群がどのように解消されていったのか、私の体験談をこちらにまとめています。
【実践】50代からFIRE準備!総資産2.3億円を築いた「守り」の2アクション
「自分にはそんな資産もないし、もう50代だから遅い」と諦める必要はありません。一発逆転のハイリスク投資に手を出すのではなく、「守り」を固めて「いつでも辞められる」という経済的自立(FI)を目指す現実的な一歩を踏み出しましょう。
アクション①:一生モノの節約!「固定費の徹底見直し」
50代になると、収入を急激に増やすのはなかなか難しい。でも、出ていくお金を減らすのは、今日この瞬間からでもできます。
使っていないサブスク、なんとなく払い続けている割高な通信費、独身時代から見直していない過剰な保険料。こうした固定費は、一度削ればその効果が毎月ずっと続く「一生モノの節約」です。
私は「守りの投資家」を名乗っていますが、リタイア後の生活基盤を安定させるうえで、実は「稼ぐ」こと以上に「無駄なく守る」ことが重要だと痛感しています。固定費の点検は、その第一歩です。
アクション②:浮いた資金は「インデックスへの積立投資」へ増額
固定費の見直しで浮いた資金は、決して消費に回さず、インデックス投資などの「積立投資」に回して資産形成を加速させましょう。
ここで大事なのは、SNSでよく見る「億り人」を狙った派手なトレードではないということ。忙しいサラリーマンにとって、一度設定すればあとはほったらかしでいいインデックス投資こそ、最も理にかなっています。私自身も、暴落を何度も経験した末に「投資で一番大事なのはメンタル=市場から退場しないこと」だと痛感しました。
どうしても暇なときに少し相場で遊びたいなら、資産の大部分は堅実なインデックス投資の積立で固めつつ、ごく一部だけを個別株などに回す「コア・サテライト戦略」で楽しむくらいがちょうどいいでしょう。あくまで主役は、堅実な積立です。
さいごに|今日出社できたあなたは、それだけで十分えらい
長くなりましたので、要点をまとめます。
- 連休明けの「行きたくない」は、脳と体の正常な反応。社会的時差ぼけやツァイガルニク効果が原因であり、あなたのせいではありません。
- 「辞めたい」という感情は、FIREへの強力なエネルギーに変えられる。目指すべきは「いつでも辞められる権利」です。
- その権利は、固定費の見直しと積立投資の増額という「守り」から始まる。50代からでも遅くありません。
長年、社会で戦ってきた自分を、まずは認めてあげてください。今日出社できただけで、あなたは十分に偉いのです。今日できる小さな一歩の積み重ねが、やがて大きな自由(FIRE)へとつながっていきます。手始めに、家計簿アプリで今月の固定費を眺めてみるところから始めてみませんか。
PS
あなたが「会社に行きたくない」と一番強く感じるのは、どんな瞬間ですか? そして、その気持ちにどう折り合いをつけていますか? よかったら、コメント欄であなたの本音を聞かせてください。





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