昨日の記事では、退職初年度の確定申告がいかにカオスだったか、そして社会保険料(任意継続・国民年金)の「一括払い」による控除ルールについてお伝えしました。
「今年は給与所得も少ないし、これで問題ない。還付金もたくさん戻ってくる!」と、PCの前で一人ニコニコしていた私ですが、最終的に申告内容を再確認したところ、究極の選択を迫られることになりました。
今回は、退職初年度だからこそ陥った「合計所得金額の罠」と、電卓を叩きながら格闘した「究極の選択」について赤裸々に記事にしました。
FIREを目指している方、退職を控えている方は、本当に要注意です。
【失敗談】e-Tax確認で背筋が凍った…配偶者控除が38万円から13万円に激減!
前回の記事にも書いた通り、今年の確定申告は「給与所得」「退職金」「ソーシャルレンディングの利益」「ふるさと納税」「生命保険料控除」「医療費控除」「国保の保険料」「年金の保険料」、そして海外ETFへの投資に伴う「外国税額控除」と、盛りだくさんの情報をなんとか入力し終え、e-Taxでの送信を完了させました。
「ふぅ、終わった」とお茶を一口飲みながら、5年間の保存用にプリントアウトした申告書にざっと目を通していたときのことです。ある数字のところで、ふと手が止まりました。

配偶者控除の額が、「13万円」になっていたのです。
我が家はこれまで、給与やソーシャルレンディングの雑所得・配当などをしっかり計算したうえで、配偶者控除を「満額の38万円」受けられるようにコントロールしてきました。それなのに、なぜ今年は13万円に激減しているのか? 慌てて申告書の数字を遡って確認し、ようやく原因が判明しました。
盲点!退職金も「合計所得金額」に合算。配偶者控除の所得制限(900万円の壁)に注意
配偶者控除には、本人の所得額に応じた「所得制限」の壁があります。具体的には以下の通りです。
| 合計所得金額 | 配偶者控除額 |
|---|---|
| 900万円以下 | 38万円(満額) |
| 900万円超〜950万円以下 | 26万円 |
| 950万円超〜1,000万円以下 | 13万円 |
昨年まではこの「900万円の壁」を絶対に超えないよう調整してきました。しかし今年はFIREの初年度。そうです、「退職金」という名の伏兵のことを、すっかり忘れていたのです。
前回の記事でも触れた通り、医療費控除などを申告する場合、源泉徴収済みの退職金であっても申告書への記載が必要になります。そして、配偶者控除の判定基準となる「合計所得金額」には、この退職所得もしっかり合算されてしまいます。
今年の私の所得ベースは以下の通りでした。
- 給与所得:5,481,940円
- 雑所得(ソーシャルレンディング等):1,166,347円
- 退職所得(分離課税):2,550,000円
【ベースの合計所得金額】約919.8万円(約920万円)
この時点で、すでに900万円の壁を突破し、配偶者控除は満額の38万円から「26万円の区分」に転落していました。これだけでも十分ショックでしたが、悲劇はここで終わりません。
外国税額控除の罠!申告するとさらに区分が下がる
「ベースが約920万円なら、配偶者控除は26万円では?」と思われた方もいるかもしれません。しかし実際は「13万円」。
その原因は、数万円を取り戻そうとして入力した「外国税額控除」にありました。
昨日も書きましたが私は海外ETFを約1,500万円保有しており、今年は約42万円の配当を受け取りました。しかしこの配当には、米国での源泉徴収(約10%=約4.2万円)と、日本での課税(約20%)という二重課税が発生しています。
この「米国に持っていかれた約4.2万円(実際は使える枠があり、取り戻せる額は約3万円になります)」を取り戻すため、私は外国税額控除の申請を行いました。
通常、特定口座(源泉徴収あり)に入れていれば確定申告は不要ですが、外国税額控除を受けるためには「配当分をあえて申告して、還付をお願いする」という手続きが必要になります。
そして、今年の投資信託や国内ETFを含めた「上場株式等の配当所得(分離課税)」の合計は、662,526円でした。
これを外国税額控除のために申告した結果……
ベースの所得(約920万円)+配当所得(約66万円)= 約986万円!
見事に「950万円超〜1,000万円以下」のゾーンに突入し、配偶者控除が最下層の「13万円」へと叩き落とされていたのです。
まさか、自分の手で自分を罠にハメていたとは……。
【究極の選択】米国税を取り戻すか、配偶者控除を守るか?
ここで私に突きつけられたのは、究極の二択でした。
① 外国税額控除をあきらめる(配当を申告しない)
→ 米国税の約3万円は諦めるが、合計所得が950万円以下に戻り、配偶者控除が26万円(+13万円)に復活する。
② 外国税額控除を取りに行く(配当を申告する)
→ 米国税の約3万円は取り戻せるが、配偶者控除は13万円のまま。
「税額控除の約3万円」を取るか、「配偶者控除の13万円増額による節税効果」を取るか——結局、両方のパターンで最終的な税額を計算し直すことになりました。
そして出た結論がこちらです。
「外国税額控除を捨てて、配偶者控除を26万円に増やしたほうが、最終的に約7,000円お得」
泣く泣く作成済みの申告データを破棄し、配当申告(外国税額控除)の入力をすべて削除して、申告書を一から作り直しました。

「米国へ納めた税金よ、さようなら……!」
心の中で泣きながら、e-Taxで再申請をしました。
(税務署の職員の皆さん、お手数をおかけして申し訳ありません。)
来年に向けた教訓:国保7割免除への新たな落とし穴
今回は7,000円の差で配偶者控除を優先しましたが、実はもう一つ、背筋が凍るような「気づき」がありました。
私は来年以降、「国民健康保険料の7割免除」を狙うため、ソーシャルレンディングの残高を減らして利益を調整しています。しかしよくよく考えると、外国税額控除を取るために海外ETFの配当を申告すると、合計所得金額が跳ね上がり、国保の保険料算定にもろに影響してしまうのです。
「ソシレンの雑所得ばかり気にしていて、海外ETFの配当申告が国保に与える影響をすっかり忘れていた……」
攻めの投資から守りの税金対策へとシフトする中で、制度のパズルは想像以上に複雑に絡み合っています。来年からは、配当申告の有無も視野に入れたうえで、手取り最大化のシミュレーションを行わなければならないと痛感しました。
さいごに
退職金という一時的な所得が引き起こした「合計所得金額の罠」。海外ETFの配当を申告することで配偶者控除が削られるなんて、実際に数字を入力してみるまで全くピンときていませんでした。
皆さんは、海外ETFの外国税額控除、毎年きっちり申告されていますか? それとも私のように「配偶者控除」や「国民健康保険料」への影響を考慮して、あえて申告せずに見送った経験はありますか?
税金対策のこだわりや「こんな罠にハマった!」という失敗談があれば、ぜひコメント欄で教えてください。FIRE民同士、知恵を出し合って「守りの陣形」を固めていきましょう!
早期リタイア(FIRE)時に考えることを以下の記事にまとめました。ぜひ参考にしてください






コメント