著者:モンチ(投資歴25年・運用資産2億円/インデックス×社債で完全FIRE)
最近、FIRE関連のブログを眺めていると、「FIRA60」という見慣れない言葉を見つけました。 「ん?なんだそれ?」と気になって調べてみると、ネットで話題のNISA貧乏と呼ばれるような無理な投資生活をしなくても、早期リタイアができそうな、現実的な考え方でした。
私自身は運よく50代前半でリタイアできましたが、このブログを読んでいただいている方の中には「FIREには憧れるけど、今の年齢と給料から数億円貯めるなんて絶対に無理……」という切実な悩みを持っている方もいるかもしれません。
たしかに、若いころから仙人のような節約をして数億円を目指すなんて、どう考えても現実的ではないですよね。精神的にも体力的にもキツいですし・・・。このブログでも何度か書きましたが、幸せな生活を送ることが目標なのに、FIREのために極端に今を我慢するのは本末転倒でもあります。
今回は、このFIRA60の具体的な考え方について記事にしていきます。
【FIRA60とは】「FIREは無理」と諦めた40代・50代を救う!通常FIREとの決定的違い
FIRA60(Financial Independence, Retire Around 60)をざっくり言うと、「60歳前後という現実的な年齢で、経済的自由を手に入れて会社を辞めよう」という考え方です。元大学教授でマネー評論家の榊原正幸さんが著書で提唱された概念のようです。
30代や40代でのリタイアを目指す通常のFIREは、短期間で莫大な資産を作らなければなりません。超エリートで高収入か、生活費をとことん切り詰めるか、ハイリスクな投資で一発当てるか……正直、ハードルが高すぎます。
余談ですが、私が本格的に運用を始めたタイミングでリーマンショックが直撃したことが、結果的には追い風になりました。妻には内緒(FIREを告げるまで見つからなかった!!)で、コツコツやりくりしていた「お小遣い資産」があるのですが、リーマンショック直後に約1,000万円だったものが、FIREした時点では約5,500万円まで育っていました。年率換算で8〜9%の利回りです。一発逆転の大勝負をしたわけでもなく、ただひたすら投資して市場から退場せずほったらかしにした結果です。こういう投資環境に恵まれるという幸運が必要なのかもしれません。
話が少し逸れましたが、その点で、FIRA60は、ゴールを「60歳」と長めに設定することで、「時間」という最強の武器=複利効果をじっくり使う考え方です。家族との旅行や趣味といった「今の生活の楽しみ」を犠牲にすることなく、手堅い運用をコツコツ続けるだけで手が届く。再現性の高いアプローチです。
40代からでも遅くありません。焦らず10年、15年と時間をかければ、資産は確実に育ってくれます。
【FIRA60の必要資金シミュレーション】目標額はいくら?「老齢年金」を味方にする現実的な計算式
「じゃあ、FIRA60を達成するには具体的にいくら必要なの?」という話になります。
通常のFIRE(いわゆる4%ルール)では、基本的に年金はアテにしません。でも、FIRA60の最大の特徴は、「公的年金」を強固な土台として計算にガッツリ組み込むところです。
計算式はとてもシンプルです。
必要な資産額 = {(月の生活費 - 月の年金手取り額)× 12ヶ月} ÷ 運用利回り
実際に、現在の私(妻と二人暮らし)の老後シミュレーションを当てはめて計算してみましょう。
- 月の生活費:40万円(老後はもう少し下がるかもしれませんが、いったんは現状で)
- 月の年金(手取り想定):20万円(60歳に繰り上げ受給した場合の夫婦合算)
- 運用利回り:4%(比較的手堅い守りの運用を想定)
まずは月の不足額を出します。 40万円 - 20万円 = 20万円
これを12倍して、年間の不足額を出します。 20万円 × 12ヶ月 = 240万円
最後に、利回りで割ります。 240万円 ÷ 4% = 6,000万円
「いやいや、6,000万円でも十分大金だよ!」と思うかもしれません。 しかし、6,000万円を4%で運用すれば、運用益+年金で100歳でも120歳でも資産を減らさずに生活できる計算になります。
つまり、FIRA60の本当のゴールは、貯金を少しずつ切り崩して「あと何年生きられるだろう……」とビクビクしながら老後を過ごすことではなく、 「年金」と「運用益」を組み合わせることで、元本を減らすことなく一生涯の生活費をまかなえる状態を作ることのようです。
「貯蓄率20%」でFIRA60を達成する家計管理術
では、「目標額はわかったけど、どうやってそこまで貯めるんだ」ということになりますが、その答えが、以前のブログでも紹介した「50/30/20ルール」です。
手取り収入の50%を生活費、30%を楽しみ、20%を貯蓄・投資に回すという、シンプルな家計管理術です。
実質利回り4%でこの「貯蓄率20%」を維持し続ければ、数学のセオリーとして約40年後(20代から始めれば60歳前後)に「資産収入だけで生活費を賄える状態」になります。つまり、社会人になってから貯蓄率20%を死守し続けるだけで、自動的にFIRA60は達成できる計算になります。
ちなみに私の場合、「夏と冬のボーナスは最初からなかったものとして、全額投資に回す」という単純明快な手法をとりました。これで年間の総貯蓄率を約30%まで引き上げていました。
また、「社会人生活も長く、残り年数が限られている場合、貯蓄率はいくらにすればいいのか?」と気になる方もいると思います。その場合は、現在の資産と残り年数から貯蓄率を割り出せる早見表を別記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
さいごに
今回は、現実的に目指すことができるリタイア戦略「FIRA60」について記事にしました。最後に要点を3つにまとめます。
- FIRA60は、「年金」を計算に組み込むことで目標額を劇的に下げられる、現実的リタイア戦略。
- 「手取りの20%」を投資に回すだけで、数学的には達成への道筋が見えてくる。
- 元本を減らさず年金と運用益で生活できる状態を目指すことで、老後の不安から解放される。
「自分にはFIREなんて絶対無理だ」とあきらめている方は、まずは今年の「ねんきん定期便」を引っ張り出してきて、老後にいくら受け取れるのか、リアルな数字を確認してみてくださいね。





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