現在の私の総資産は2億円を突破したあたり。すっかり資産を増やす「攻め」の運用からは卒業し、現金・債券・株式を分ける「3つのバケツ戦略」や、手堅い「債券ラダー戦略」を駆使して、いかに税金や社会保険料を抑えつつ資産を守り抜くか……というフェーズに入っています。
しかし、私も最初からスマートな投資ができていたわけではありません。
今から約17年前の2009年。私がまだ資産形成の途中で、投資方針に迷いがあった頃、ある海外サイト「Index Funds Advisors」の素晴らしい記事に出会いました。それが「アクティブ投資家に送る、インデックス投資への12のステップ」です。
当時は「なるほどな」とブログにメモがてら書き留めた程度でしたが……17年経った今だからこそ断言できます。ここに書かれていることは「投資の真理」でした。

今回は、当時の記事を振り返りながら、「実際にこの教えを17年間愚直に守り続けたら、本当に2億円に到達してFIREできた」という私自身の実体験(答え合わせ)を交えてご紹介したいと思います。
先に結論を書くと、「アクティブ投資もタイミング投資も、やらなくて大正解でした」。
ステップ1:アクティブ投資の現実を知る(個別株・FXの失敗談)
ステップ1:アクティブ投資家: アクティブ投資家の状況を認識する。
(要約)
市場を予測してアクティブに売買しても、手数料や税金がかさむだけで、長期的には市場平均(インデックス)に勝つことは極めて困難であるという事実を認識する 。
【17年越しの答え合わせ】
実は私、この記事を書く前(2009年より前)は、個別株の投資やチャート分析に熱中していました。
仕事が終わって帰宅した後、毎日1〜2時間はパソコンにへばりついてチャートを分析し、頻繁に取引を行っていたのです。時には大成功することもありましたが、失敗も同じくらいありました。これだけ貴重なプライベートの時間を削ったにもかかわらず、結局、トータルでは「すずめの涙」ほどの利益しか残りませんでした。
インデックス投資に出会い、「プロもアマも含む全投資家の成績の『平均』がインデックスである」という真実に気づいたとき、目が覚めました。毎日血眼になって何時間も費やしてプラマイゼロなら、「ゼロ時間の手間で、市場の平均点を確実に取れるインデックス投資の方がはるかに優れている」。
今思えば、この「時給」の概念を取り入れた合理的な判断が、FIREへの第一歩でした 。
ステップ2:ノーベル賞学者の研究から「長期・分散・低コスト」を学ぶ
ステップ2: ノーベル賞受賞者: ノーベル賞受賞者による市場の研究成果を認識する。
(要約)
学術的な研究成果を受け入れ、市場は効率的であり、一部の天才を除いて継続的に市場を出し抜くことはできないと知る。
【17年越しの答え合わせ】
マネー雑誌やSNSを開けば、「〇〇株で1ヶ月で数百万円稼いだ!」「次に爆上げする仮想通貨はこれ!」といったノイズ情報が溢れ返っています。
しかし、ユージン・ファーマやウィリアム・シャープといった、偉大なノーベル経済学賞を受賞した学者たちの結論は共通しています。
「市場の未来を正確に予測して勝ち続けることは不可能。低コストで『広く分散』し、『長期保有』することこそが合理的な正解である」というものです。
私は、どこの誰ともわからないSNSのインフルエンサーよりも、何十年も市場を分析し尽くした経済学者たちの理論を信じることにしました。その結果が、現在の資産2億円という数字です。
ステップ3:個別株選びで市場平均(インデックス)には勝てないと悟る
ステップ3: 株式銘柄選択: 株式銘柄を選択することによっては、市場に勝つことができないことを理解する。
(要約)
個別の株式銘柄を選び出すことで、市場全体(インデックス)のパフォーマンスを上回ろうとするのは無謀である 。
【17年越しの答え合わせ】
2009年以前の私は、週1回ほどのペースで売買を繰り返すスイングトレードやFXに手を出していました。会社四季報を買い込み、証券会社のアナリストレポートを読み漁り、「チャート分析こそが最強だ!」と本気で信じていたのです。今思い出すと、少し顔から火が出る思いです(笑)。
結果は、手数料がかさむばかりで、手取りで見ると本当に割に合わないものでした。しかし、最大の幸運は「致命傷を負う前にインデックス投資に切り替えられたこと」です。もしあのままレバレッジをかけてのめり込んでいたら……想像するだけで背筋が凍ります。
無駄な売買をやめ、市場に居続ける「メンタル」を重視したからこそ、リーマンショックという100年に一度の大暴落も乗り越えることができました。
ステップ4:暴落時のタイミング投資はNG。「稲妻が輝く瞬間」を逃さない
ステップ4: 時期選択: 売り買いの時期を適切に選択することは誰にもできないことを理解する。
(要約)
最近の10年間において、総利益の100%が「たった20日間」に集中している。この20日間をあらかじめ選択することは不可能である 。
【17年越しの答え合わせ】
これは、チャールズ・エリスの著書『敗者のゲーム』にある「稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせなければならない」という言葉そのものです。株価が急騰する「ごくわずかな数日間」を逃すと、長期的なリターンは激減してしまいます。
当時いろいろ調べた結果、米国株式の1975年から30年のデータで「過去30年でたった30日の上げ相場をたまたま逃してしまうとリターンの60%がなくなる」という結果もありました。
参考:売買タイミングを図る難しさを考える
コロナショックのような暴落を目の当たりにすると、「一旦売って、底値で買い直したい」という誘惑に駆られます。しかし、いつが底でいつが天井かは誰にも読めません。だからこそ、「どんな時も市場から降りない」というルールを死守することが、資産形成における絶対条件でした。
さいごに
いかがだったでしょうか。
17年前、手探りで見つけた海外サイトの記事を信じた自分に、「お前の判断は大正解だったぞ」と言ってやりたい気分です。思わずニッタリしてしまいますね。
チャートと睨めっこしていた時間をゼロにし、市場平均に身を委ねたことで、私は「お金」だけでなく「自由な時間」と「心の平穏」を手に入れ、無事にFIREを達成することができました。
PS
皆さまは、過去に「チャート分析に必死になったけれど、結局インデックスに負けてしまった」という経験や、「あの時売らなければよかった」というタイミング投資の失敗談はありますか?
もしよろしければ、コメント欄で皆さんのエピソードを教えていただけると嬉しいです!



コメント
こんにちわ
いつも楽しくブログを読ませて頂いてます。
私は株式投資に30年ほど携わり、失敗しながら学んできました。
そこで得た感想とよく似たブログを見つけたのでメールします。
今回のアクティブよりインデックス投資が正しかった
との記事を読み、その通りと思いました。
当方も社会人となった20代から株式投資をしていましたが
個別株、新興国、投資信託と手を出しましたが、大きな利益は出ませんでした。
そんな時ジェレミーシーゲル教授の”長期株式投資の勧め“という本に出逢い
感銘を受けました。その教えを実行するため、口座を持っていた証券会社で
米国のETF “VOO”全力で購入しました。
その後もボーナスが出るタイミングでVOOを買い増ししていると、ある時点で
株式資産の日々の変動幅が毎月の給料を上回るようになりました。
最終的に変動幅がボーナスを超えたあたりで会社を辞めましたが、
今思い返してもシーゲル教授の本と出会い、VOOを購入したことが転機でした。
SNS、投資雑誌、エコノミストの情報は極論すれば私にはただのノイズでした。
再現性が無いんです。投資情報に触れる際、再現性が高いかどうかが私の基準になり
これまでのところ投資は上手く行ってます。
長文コメント申し訳ありません
以上
コメントありがとうございます。
30年という長きにわたる投資歴、そしてご自身の失敗から導き出された「インデックス投資の優位性」と「再現性の重要さ」。
深く頷きながら読ませていただきました。
私も25年以上相場に身を置いてきましたが、かつてはご多分に漏れず個別株などに手を出しては痛い目を見てきたクチです。
だからこそ、シーゲル教授の教え(私も愛読してます)に出会い、VOOに全力投球されたというご決断の重み、
そしてその正しさが痛いほどよく分かります。
「SNSやエコノミストの情報はただのノイズ。再現性が無い」というお言葉は、
投資の本質を突いた金言ですね。
これからFIREを目指す多くの読者の方にとっても、深く心に刺さるメッセージだと思います。
大変貴重な体験談をシェアしていただき、本当にありがとうございました。
もしよろしければ、ぜひまたお気軽にコメント欄へ遊びに来てください!
モンチさん、いつも楽しく読ませていただいています。私も昔、個別株取引で一喜一憂し、最終的には数百万円の損切りをして、それまで積み上げた利益を吹き飛ばしてしまいました。10年ほど前からはインデックス投資に切り替え、今では相当程度の資産形成を築くまでになりました。自分にとってはインデックス投資が1番性格に合っていると、今では確信しています。
まさとしさん、いつもブログを読んでいただき、そして貴重な体験談のコメントまでありがとうございます!
とても嬉しいです。
数百万円の損切り…!文字を読んだだけで背中が寒くなります。
それまで積み上げた利益が吹き飛んでいくのを画面で見つめるのは、胃がえぐられるような思いだったとお察しします。
私も昔、FXでたった20万円マイナスになっただけで寝込んでしまったほどの小心者ですから、その時の絶望感は痛いほどよく分かります。
でも、そこで市場から退場せず、10年前にインデックス投資へと見事に舵を切り、今ではしっかりと資産を築き上げられたとのこと、本当に素晴らしいです!
まさに大逆転劇ですね。
「自分の性格に合っている」とおっしゃる通り、投資において一番大切なのは、相場に勝つことよりも「自分の心の器の大きさ」を知ることなんですよね。
日々の株価に一喜一憂せず、夜ぐっすり眠れるインデックス投資こそ、私たちにとって最強の選択だと私も確信しています。
同じインデックス投資の同志として、これからもお互い心穏やかに資産を守っていきましょう!