FIRE時に考える「退職金の受け取り方」②

年金の受け取り方 FIRE実行

退職金の受け取り方には、「一括受け取り」と「年金受け取り」の2つの選択肢があります。前回の記事では、それぞれの税制面について詳しくまとめました。

今回は、私自身が実際に悩んだ「一括+年金」のミックス受け取りについて、さらに踏み込んでみたいと思います。

私が考えた選択肢

前回も触れましたが、私の場合、退職金は以下の条件でした。

・退職金:2,000万円
・勤続年数:29年 → 退職所得控除:1,430万円

この場合、一括受け取りだと570万円が課税対象となり、約48万円の納税が必要です。

そこでふと思ったのが、

「退職所得控除の枠内である1,400万円を一括で受け取り、残りの600万円を年金で受け取れば、税負担を抑えられるのでは?」

この「一括受け取りと年金受け取りをミックス」した場合、どのような納税額になるかを考えてみました。

一括受け+年金のミックス受け取りのシミュレーション

今回は、控除枠(1,430万円)ギリギリで切りの良い1,400万円を一時金で受け取り、残りをの600万円を年金(年120万円×5年)で受け取ることでシミュレーションしてみました。

① 一括受け取り部分(1,400万円)

まずは、一括受け取りの部分について計算。

  • 控除額:1,430万円 (控除額が、1,430万円になる理由は、前回の記事を参考ください)
  • 退職金:1,400万円
  • 控除内に収まるため、課税対象額はゼロ
  • 所得税・住民税:0円

退職所得控除内に収まるように一括受け取りの金額を調整してますので、当たり前ですが、納税額は0円。

② 年金受け取り部分(残り600万円) 

退職所得控除に収まらない600万円を年金受け取りにした時のシミュレーションです。

  • 65歳から5年間で受け取る場合:年間120万円
  • 公的年金等控除(65歳以上・その他の収入はなし):110万円
     (控除額が、110万円になる理由は、前回の記事を参考ください)
  • 控除後の額:120万円 − 110万円 = 10万円

控除後の額が10万円となりますが、さらに基礎控除(所得税は48万円、住民税は43万円)が使えます。

よって、所得税・住民税:0円 となります。
ただし、これは退職金の年金受け取り以外の収入がない場合です

私の場合、以下の収入を見込んでます。

  • 個人年金保険:年間120万円(60歳〜70歳) 
  • ソーシャルレンディング投資利益:約100万円/年
     (ソーシャルレンディングの利益は雑所得)
  • 厚生年金:70歳まで繰り下げ予定で、65歳~70歳の間は、0円

この場合、退職金の年金受け取り120万円と合わせて、年あたり340万円の収入があることになります。それと比較して、控除額は、公的年金等控除の110万円+基礎控除48万円の158万円

よって、他の所得まで考えると、182万円(340万円-158万円)に税金がかかり、その額は、年間約9万円となりました。(195万円まで税率5%)

5年間納付すると45万円。 一括受け取りの48万円とほとんど変わらないことが判明しました。

まとめ 有利なのはどっち?

受け取り方法税金総額補足
一括
(2,000万円)
約48万円社会保険料等へ影響なし
ミックス
(1,400万+600万)
他に所得がない
0円×社会保険料等へ影響あり
ミックス
(1,400万+600万)
他の所得が220万円
約45万円×社会保険料等へ影響あり

税金だけで見れば、他に所得がない場合は「ミックス受け取り」が有利です。
ただし、年金部分は「雑所得」として扱われるため、国民健康保険料や介護保険料が上がる可能性がある点には注意が必要だと思います。


ちなみに、私は、一括受け取りを選択しました。

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