初めに
FIREを目指す皆さんの中には、すでに投資を始めている方も多いのではないでしょうか?
かくいう私も、長らく投資を行ってましたが、その内容は、もうダメダメでした。
振り返ってみると、
- マネー雑誌を読んで流行りのファンドを購入
- 毎月分配型の投資信託を購入
- デイトレードのような株の短期売買(チャート分析で売買)をかじる
- 例レバレッジ運用ですがFXにも手を出す
今回は、そんな失敗だらけの私の投資の歴史と、最終的に2億円という資産を築くことができた「投資への向き合い方」について、包み隠さず書きたいと思います。
ドタバタ投資のスタート
私が投資を始めたのは、今から約25年前、ITバブルがはじける2000年ぐらいだったと思います。夏ボーナスをもらった私は、ある日、会社の先輩からとんでもない話を聞きました。
「投資信託で、1年の騰落率が110%だった」
当時の私は、投資のことなんて何も知らず、ただただびっくり。先輩が言う「110%」を「元の資産に10%の利益がついた」ってことだと思ってました。 でも、話を聞いたら、なんと資産が2倍以上になったという意味だったんですよ。
その時の衝撃は、今でも忘れられません。
「自分もやってみたい!」
すぐに本屋へダッシュして、投資信託の本を読みまくり、証券口座を開設しました。当時の口座は、今はもうない「野村ファンドネット証券」。夏のボーナスの全額50万円。超初心者だった私が買ったのは、カリスマ的なファンドマネージャーが佐久間康郎氏が運用しているという「DKA株式オープン(今は名前が変わって「MHAM 株式オープン」)」でした。
でも、世の中そんなに甘くなかった。
ITバブルが崩壊。2000年頃には17,000円ぐらいあった日経平均株価が、ずるずる下がり2003年頃には、8000円を切るような状態でした。もちろん私のファンドの値段は、あっという間に暴落。もう目も当てられない状態になって塩漬け状態。
「投資は怖い…」
投資への情熱、再燃!
塩漬け状態で、すっかり投資から遠ざかっていた私に、再び火がついたのは2003年頃のことです。
実家に帰ったとき、両親が「投資信託を買った」という話を聞いたんです。それが、当時めちゃくちゃ人気があった「グローバル・ソブリン・オープン」、通称「グロソブ」。毎月安定した分配金を出していて、当時は飛ぶ鳥を落とす勢いのファンドでした。その話を聞いて、
「もう一度、投資と向き合ってみようかな」
と心が動き始めました。
書店でマネー雑誌を買いあさり、当時人気のファンドをいくつか買い始めました。グロソブはもちろん、マネー誌に掲載されていた人気ファンドを買いあさってました。
「朝日Nvest グローバルバリュー株オープン」「DIAM-高格付インカム・オープン毎月決算」「T&D アクティブバリューオープン」など購入してしました
投資拡大、そして失敗
2003年頃から、株式全体のパフォーマンスが良い時期が続きました。買った投資信託の成績も好調でした。そして、株の短期売買(数日保有して売却)や、低レバレッジのFXにも挑戦しました。
今思えば、これらの投資はすべて「楽して儲けたい」という甘い考えからでした。
当然のことながら、どれも結果はダメダメでした。
FXで1日に20万円ぐらいの損失を抱えたときは、仕事が手につかない状態。
「やっぱり投資は怖い…」
アセットアロケーションについて知る
2005年頃、私は内藤忍氏の著書『資産設計塾』に出会いました。この本で最も衝撃を受けたのが、「投資のリターンの80%はアセットアロケーション(資産配分)で決まる」という概念です。
それまでの私は、「どの銘柄を選ぶか」「いつ買うか」といった、いわゆる「投資タイミング」や「銘柄選択」にばかり気を取られていました。しかし、学術的な調査結果によれば、これらの要素がリターンに与える影響はわずかに過ぎません。
この真実を知ってからは、投資の中心を「ポートフォリオ(分散投資)の構築と管理」に切り替えました。資産を株式、債券、不動産など、異なる値動きをする資産に分散して持つことで、リスクを抑えつつ安定したリターンを目指すという考え方です。
この戦略に切り替えてから、私の投資リターンは着実に向上しただけでなく、何よりも心が穏やかになりました。相場の一時的な変動に一喜一憂することが減り、ストレスなく投資を続けられるようになったのです。これが、長期的に投資を成功させるための土台となりました。
「長期投資」の圧倒的な優位性を知る
次に私に大きな影響を与えたのが、ジェレミー・シーゲル氏の著書『株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド』です。この本は、過去200年以上にわたる株式、債券、金、現金のデータを分析し、それぞれの長期的なリターンを検証しています。
結論として示されているのは、戦争や恐慌、インフレなど、どんな困難な時代であっても、最終的に最も高いリターンをもたらしたのは株式投資だったということです。第二次世界大戦で敗戦国となった日本ですら、同じ結果が示されています。
図は、200年の間には、先が真っ暗になるような景気後退期や、戦争や、インフレなどありましたが、最終的にリターンが高かったのは株式。 200年で880万倍!です。
この事実を知ったことで、「株式市場はこんなにも優れた投資先なのか」と、その潜在能力を思い知らされました。目先の株価変動に惑わされず、長期的な視点を持つことの重要性を強く認識するきっかけとなりました。
リーマンショックという「絶好の買い場」を経験する
そして2008年9月、世界的な金融危機であるリーマンショックが発生しました。日経平均株価は、2009年3月には7000円台まで下落し、世間では「株はもうダメだ」という悲観論が蔓延していました。
もしこの時、昔の私だったら、恐怖に駆られて投資から撤退していと思います。しかし、この頃の私はすでに以下のような正しい投資観を身につけていました。
- 過去、何度も損を経験し、強靭なメンタルができた
- アセットアロケーションでリスクを分散している
- 長期的に見た株式市場の将来性を信じている
これらの知識と経験があったからこそ、私はパニックになることなく、むしろ絶好の買い場だと判断することができました。日経平均が1万円を切るような時期に、TOPIXのETFなどの資産を積極的に買い増していったのです。
結果的に、この時に構築したポートフォリオが大きく成長し、私がFIRE(経済的自立と早期リタイア)を達成する上で、決定的な要因となりました。
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